IOST(アイオーエスティー)とは?

アイオーエスティーは、処理速度と開発のしやすさを重視して設計されたブロックチェーンプロジェクトです。
独自のIOST L1では、JavaScriptを使ったスマートコントラクトや、IOSTを預けて取引処理用のリソースを得る仕組みを利用できます。
2025年には、BNB Chainを決済層として利用するEVM互換のIOST 3.0 L2が公開されました。
現在は、従来のL1を維持しながら、RWA、決済、分散型ID、EVM対応アプリへ用途を広げています。
IOSTは一つのネットワークだけを指すのではなく、独自仕様のL1と、BNB Chainを基盤とするIOST 3.0 L2を含むマルチチェーン型のエコシステムへ移行しています。
この記事では、IOSTのコンセンサス、ステーキング、iGAS・iRAM、スマートコントラクト、IOST 3.0 L2、対応ウォレット、メリット・デメリットについて解説します。
アイオーエスティーとは?

アイオーエスティーは、高速な取引処理とスマートコントラクトの実行を目的に開発されたブロックチェーンプラットフォームです。
IOSTは「Internet of Services Token」の略称として使われ、2017年にプロジェクトが始動しました。
Jimmy Zhong、Terrence Wangらを中心とする開発チームによって設計され、2019年2月25日に独自のメインネットが公開されています。
従来のIOST L1では、Proof of Believabilityと呼ばれる独自の合意形成方式を採用しています。
ブロック生成へ参加するノードを一定間隔で入れ替え、短いブロック間隔とネットワークの分散性を両立することを目指しています。
IOSTは、送金や取引手数料に使われるだけでなく、ノードへの投票、取引処理用のリソース取得、スマートコントラクト、トークン発行などにも利用されます。
2025年にはIOST 3.0 L2が公開され、SolidityやMetaMaskなど、Ethereum系の開発環境も利用できるようになりました。
IOSTの開発、普及、エコシステム支援には、Internet of Services Foundationや開発チームが関わっています。
IOST L1のノードソフトウェアやスマートコントラクト関連ツールは公開されており、開発者はコードや更新履歴を確認できます。
L1では、ノードへの投票、Serviと呼ばれる評価値、ブロック生成への貢献などをもとに、ブロック生成委員会が構成されます。
開発組織だけがすべての取引を承認する仕組みではありません。
一方、IOST 3.0 L2では、トランザクションの実行、データの集約、BNB Chainへの記録、ブリッジなど、L1とは異なる構成要素が利用されます。
IOST L1の分散性と、IOST 3.0 L2の運営・セキュリティ構造は同じではありません。
利用する際は、どちらのネットワークで資産やアプリが動作しているかを確認する必要があります。
また、IOST上で動作するDApp、ウォレット、取引所、ブリッジの安全性まで、IOSTのネットワーク自体が保証するものではありません。
以下に、アイオーエスティー(IOST)の基本情報を一覧表でまとめました。
| 名前 | アイオーエスティー(IOST) |
|---|---|
| 単位 | IOST |
| 最高発行枚数 | 固定上限なし(L1の追加発行とIOST 3.0の新規配分あり) |
| 使用開始日 | 2019年2月25日(L1)/2025年3月15日(IOST 3.0 L2) |
| 作成者 | Jimmy Zhong、Terrence Wangらを中心とする開発チーム |
| コンセンサスアルゴリズム | Proof of Believability(IOST L1) |
| 主な用途 | 送金、投票、リソース取得、ガバナンス、ステーキング、DApp、RWA、決済 |
| スマートコントラクト対応 | 対応(L1はJavaScript、L2はSolidity・EVM) |
| チェーンの名称 | IOST L1 Mainnet/IOST 3.0 L2 Mainnet |
| 公式サイト | IOST公式サイト |
IOST L1とIOST 3.0 L2は、対応ウォレットやアドレス、手数料、スマートコントラクトの開発方法が異なります。
主な違いを以下にまとめました。
| 比較項目 | IOST L1 | IOST 3.0 L2 |
|---|---|---|
| 公開時期 | 2019年2月 | 2025年3月 |
| 主な役割 | 送金、投票、DApp、独自トークン | RWA、決済、EVM対応DApp |
| アカウント形式 | 読みやすいアカウント名 | 0xから始まるEVM形式 |
| スマートコントラクト | JavaScript | Solidity・EVM |
| 主なウォレット | iWallet Pro、TokenPocketなど | MetaMaskなど |
| 取引リソース・手数料 | IOSTを預けてiGASを取得 | BNBでガス代を支払う |
| 基盤 | 独自ブロックチェーン | BNB Chainを決済層として利用 |
IOSTを取引所から出金するときは、IOSTという通貨名だけでなく、取引所が対応しているネットワークも確認してください。
L1用のアカウントとEVM形式のアドレスは互換性がありません。
IOST L1とIOST 3.0 L2の役割や仕組みの違いを整理したい場合は、ブロックチェーンのL1・L2構造と、それぞれが担当する処理を解説した記事も参考になります。
アイオーエスティーの特徴

IOSTには、独自のProof of Believability、短いブロック間隔、アカウント名を使った送金、iGAS・iRAM、JavaScriptスマートコントラクトなどの特徴があります。
IOST 3.0では、これらのL1機能に加えて、EVM互換のL2、RWA、PayFi、分散型IDなどへ開発範囲を広げています。
Proof of Believabilityでブロック生成者を選ぶ
IOST L1では、独自のProof of Believability(信頼度を使う承認方式)を採用しています。
IOST保有者からの投票、ネットワークへの貢献、ノードの活動状況などをもとに、ブロック生成へ参加するノードが選ばれます。
ノードの貢献度を示す指標として、Servi(ノードの貢献度を示す値)が利用されます。
Serviは自由に売買できる暗号資産ではなく、ブロック生成への貢献などに応じて変化する評価値です。
ブロック生成委員会には、Servi値などをもとに選ばれた17ノードが参加し、順番にブロックを生成します。
一定のノードだけが長期間ブロック生成を独占しないよう、委員会は定期的に更新されます。
約0.5秒ごとにブロックを生成する
IOST L1は、約0.5秒ごとに新しいブロックを生成する設計です。
一つのノードが連続して複数のブロックを生成した後、委員会内の次のノードへ担当が移ります。
短いブロック間隔によって、送金やDAppの操作結果を比較的早く確認できます。
ただし、ブロックへ含まれた時点と、取引が取り消されにくい状態になる時点は同じではありません。
IOST L1では、ブロック生成ノードの3分の2を超える確認を受け、約40秒で不可逆な状態になることが目安とされています。
読みやすいアカウント名で送金できる
IOST L1では、長い英数字のアドレスではなく、利用者が設定したアカウント名を送金先として利用できます。
アカウント名は、小文字の英字、数字、アンダースコアなどを組み合わせて作成します。
一度取得された名前と同じ名前を別の利用者が取得することはできません。
読みやすい一方、似た名前や入力間違いによる誤送金には注意が必要です。
取引所への入金では、取引所共通のアカウント名に加えて、利用者を識別するMEMOを指定する場合があります。
IOSTを預けてiGASを取得する
IOST L1では、取引やスマートコントラクトの実行にiGAS(処理に使う計算リソース)を使用します。
利用者はIOSTをネットワークへ預けることで、時間の経過に応じてiGASを得られます。
iGASは取引所で自由に売買する一般的な暗号資産ではなく、IOST L1上の処理量を表すリソースです。
取引を実行するとiGASが消費されますが、預けたIOSTを維持している間は新たなiGASが生成されます。
そのため、一般的なブロックチェーンのように取引ごとに通貨を直接支払う方式とは、手数料の考え方が異なります。
データ保存にiRAMを使用する
IOST L1のスマートコントラクトがデータを保存する場合は、iRAM(データ保存用のリソース)が必要です。
iRAMは、アカウントやスマートコントラクトがネットワーク上へ保存するデータ量に関係します。
開発者は、スマートコントラクトの公開者と利用者のどちらが保存リソースを負担するかを設計できます。
iRAMの購入に使われたIOSTの一部はネットワークの経済モデルに基づいて処理されます。
DAppを開発する場合は、取引処理に使うiGASだけでなく、保存データに必要なiRAMも見積もる必要があります。
JavaScriptでスマートコントラクトを開発できる
IOST L1では、JavaScriptを使ってスマートコントラクトを開発できます。
開発者が作成したコードは、ブロックチェーンへ組み込まれたV8エンジン(JavaScriptの実行環境)で処理されます。
Web開発で広く使われるJavaScriptを利用できるため、独自言語を一から学ぶ負担を抑えられます。
トークン、ゲーム、投票、決済、NFT、資産管理などの処理をスマートコントラクトとして実装できます。
一方、通常のWebサイトとブロックチェーンでは、データの保存方法、処理の取り消し、権限管理が異なります。
JavaScriptを使用できても、スマートコントラクト固有の設計やセキュリティ対策は必要です。
IOST保有者がノードへ投票できる
IOST L1では、保有するIOSTを預け、ネットワークへ参加するノードへ投票できます。
投票数や審査条件を満たしたノードは、パートナーノードやServiノードとして活動できます。
Serviノードはブロック生成へ参加し、パートナーノードはコミュニティ活動や開発などを通じてエコシステムへ貢献します。
投票者には、投票先のノードや報酬方針に応じてIOSTが配布される場合があります。
IOST L1の投票は、IOST 3.0で提供されるStakeDropやNexus DAOのステーキングとは別の仕組みです。
暗号資産を預けて報酬を受け取る方法や、ネットワーク運営への参加との違いについては、ステーキングの仕組みと主な参加方法、注意点を解説した記事で確認できます。
IRC規格でトークンやNFTを発行できる
IOST L1では、ネットワーク上で独自のトークンを発行できます。
代替可能なトークンにはIRC-20(IOST上のトークン規格)などの規格が利用されます。
発行者は、発行上限、小数点以下の桁数、凍結、送金、バーンなどの条件を設定できます。
NFTにはIRC-722などの規格が用意されており、ゲーム資産、会員証、デジタル作品などを表現できます。
ただし、IOST上で発行されたトークンやNFTであることだけで、資産価値や発行者の信用が保証されるわけではありません。
IOST 3.0 L2はEVMへ対応している
IOST 3.0 L2では、Ethereumと互換性のあるEVM(Ethereum形式の実行環境)を採用しています。
開発者はSolidity、Hardhat、Foundry、OpenZeppelinなど、Ethereum系の開発ツールを利用できます。
利用者はMetaMaskなどのEVM対応ウォレットを接続して、トークンやスマートコントラクトを操作できます。
IOST 3.0 L2のチェーンIDは182で、取引手数料にはBNBを使用します。
IOST L1上のIOSTを保有していても、IOST 3.0 L2のガス代として直接使用できるわけではありません。
BNB Chainを決済層として利用する
IOST 3.0は、複数の取引をL2側で処理し、必要な情報をBNB Chainへ送る設計です。
多数の取引をまとめるバッチ処理(複数取引をまとめる処理)によって、利用者一人当たりのコストを抑えることを目指しています。
L2の手数料には、L2上で計算を行う費用と、BNB Chainへデータを記録する費用が含まれます。
一方、L2の運営主体、シーケンサー、データ公開、ブリッジなど、BNB Chain本体とは異なるリスクも存在します。
BNB Chainを利用していることだけで、IOST 3.0 L2上のすべてのアプリや資産が同じ安全性を持つわけではありません。
RWAのトークン化を主要分野としている
IOST 3.0では、債券、不動産、ファンドなどの現実資産をブロックチェーン上で扱うRWA(現実資産を表すトークン)を主要分野としています。
資産の所有権や収益をトークンとして表し、移転、分配、担保利用などの処理をスマートコントラクトで行うことを目指しています。
IOSTの構想には、元本と利回りを別々のトークンとして扱う仕組みや、RWAの流動性を高める取引基盤も含まれます。
ただし、トークンがブロックチェーン上に存在しても、現実の資産が適切に保管されていることまでは自動的に証明されません。
発行者、監査、保管機関、償還条件、本人確認、適用法令などを確認する必要があります。
PayFiや分散型IDの開発を進めている
IOST 3.0では、ブロックチェーンを利用した決済と金融サービスを組み合わせるPayFi(決済と金融を組み合わせる仕組み)を開発分野としています。
店舗決済、国際送金、加盟店向けの資金管理、利回り商品などを一つの基盤へ統合する構想です。
また、本人確認情報を利用者自身が管理する分散型IDや、指輪型デバイスのIOST Signetも開発されています。
本人確認や決済を簡単にできる可能性がある一方、生体情報、端末の紛失、認証情報の更新、対応店舗などの運用面も重要です。
IOST 3.0で新しいトークノミクスを導入した
IOST L1では、ネットワーク運営や投票者への報酬としてIOSTが追加発行されます。
そのため、ビットコインの2100万枚のような固定された最高発行枚数はありません。
IOST 3.0の新しい経済モデルでは、L1の既存供給量約213.2億IOSTに加えて、約213.2億IOSTを新たに発行する方針が示されています。
新規発行分の97%は、ノード報酬、エアドロップ、加盟店支援、開発者助成、DAOなどのコミュニティ用途へ割り当てられます。
残りの3%は、運営費用や人材採用などに使用される計画です。
新規発行分は一度にすべて市場へ流通するのではなく、用途に応じて3〜5年程度かけて段階的に配布されます。
取引手数料、ノード収益、提携サービス、DAO投票などを利用したバーンも計画されています。
バーン制度があっても、実際のバーン量が新規発行量を上回るとは限りません。
供給状況を判断するときは、発行予定、ロック、解除、流通量、バーン実績を分けて確認する必要があります。
他通貨との比較

この通貨の特徴をより深く理解するために、異なる通貨である アイオーエスティー(IOST)、クアンタム(QTUM)、トロン(TRX) と比較してみましょう。それぞれの将来性や価格変動の傾向、初心者への適性を5段階で評価しています。興味のある通貨があれば、各リンクから詳しい辞書ページもあわせてご覧ください。
※この比較表は、2026年時点での情報や市場状況をもとに、初心者の方にもわかりやすく評価したものです。実際の投資判断は、ご自身の目的やリスク許容度に応じて行ってください。
アイオーエスティーの利用シーン

IOSTは、暗号資産の送受信やノード投票だけでなく、DApp、トークン発行、RWA、決済、分散型IDなどに利用できます。
L1とIOST 3.0 L2では、利用できる機能や対応ウォレットが異なるため、目的に合ったネットワークを選ぶ必要があります。
個人での利用シーン
個人は、IOSTの保有・送金、ノード投票、DAppの利用、ステーキング企画への参加などに利用できます。
IOSTを保有・送金・投票する
IOST L1に対応する取引所やウォレットを利用すると、IOSTを別のアカウントへ送金できます。
自分のウォレットでIOSTを管理する場合は、ノードへ投票してネットワーク運営へ参加することも可能です。
投票中のIOSTは自由に売却・送金できないため、解除条件や受取可能になるまでの期間を確認する必要があります。
取引所が提供するステーキングサービスでは、利用者自身がノードを選ばず、取引所が運用を代行する場合があります。
DAppやIOST 3.0のサービスを利用する
IOST L1対応ウォレットでは、ゲーム、NFT、投票、DeFiなどのDAppへ接続できます。
IOST 3.0 L2では、MetaMaskなどを使ってEVM対応のスマートコントラクトやRWA関連サービスへ接続できます。
StakeDropやエアドロップなど、IOST 3.0の参加者向け企画が実施される場合もあります。
参加前には、対象となるIOSTのネットワーク、ロック期間、報酬の解除時期、スマートコントラクトの安全性を確認してください。
企業やプロジェクトでの利用シーン
企業や開発プロジェクトは、JavaScriptやSolidityを使ったDApp、独自トークン、決済、RWA、本人確認サービスなどを構築できます。
DAppや独自トークンを開発する
IOST L1では、JavaScriptを使ってゲーム、ポイント、会員証、投票、資産管理などのスマートコントラクトを開発できます。
IRC規格を利用すると、代替可能トークンやNFTをIOST L1上で発行できます。
IOST 3.0 L2では、SolidityやEthereum向けのライブラリを利用してEVM対応アプリを開発できます。
どちらを利用するかは、必要なウォレット、既存コード、処理コスト、利用者、流動性などをもとに判断します。
RWAや決済・本人確認サービスを構築する
企業は、債券、不動産、ファンド持分などを表すトークンを発行し、所有権や収益分配を管理できます。
PayFiでは、店舗決済、国際送金、加盟店向けの資金管理などをブロックチェーンと組み合わせられます。
Signetや分散型IDを利用し、本人確認済みの利用者だけが特定の資産やサービスへアクセスできる仕組みも検討できます。
ただし、RWAや本人確認を扱う場合は、スマートコントラクトだけでなく、法令、個人情報、資産保管、監査、償還手続きへの対応が必要です。
アイオーエスティーの管理方法と対応ウォレット

IOSTは、暗号資産取引所で管理する方法と、自分で秘密鍵を管理するウォレットへ送金する方法があります。
IOST L1とBSC上のIOST、IOST 3.0 L2では、利用するアドレスやウォレットが異なります。
同じ「IOST」という表示だけで判断せず、ネットワークまで確認することが重要です。
IOSTに対応した主なウォレット
以下は、IOSTに対応している代表的なウォレットと、それぞれの特徴です。
| ウォレット名 | 種類 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| iWallet Pro | ブラウザ拡張機能 | IOST L1の送受信、アカウント作成、iGAS・iRAM、DApp接続に対応する |
| TokenPocket | スマートフォンアプリ | IOST L1を含む複数のブロックチェーンとDAppに対応する |
| MetaMask | ブラウザ拡張・スマートフォンアプリ | BSC上のBEP-20版IOSTやIOST 3.0 L2へ接続できる |
iWallet Proは、IOST L1向けの公式エコシステムウォレットです。
IOSTアカウントの作成、資産の送受信、iGAS・iRAMの管理、DAppへの接続などを行えます。
TokenPocketは複数のブロックチェーンへ対応しており、スマートフォンからIOST L1のアカウントやDAppを利用できます。
MetaMaskはIOST L1の独自アカウントを直接管理するウォレットではありません。
BSC上のIOSTトークンや、EVM互換のIOST 3.0 L2を利用するときに使用します。
利用目的に応じたウォレットの利点
IOSTを頻繁に売買する場合は、IOSTを取り扱う暗号資産取引所で管理すると、注文や日本円との交換を行いやすくなります。
IOST L1で投票、iGAS・iRAM、DAppなどを利用する場合は、iWallet ProやTokenPocketなどのL1対応ウォレットが必要です。
BSC上のIOSTを保有したり、IOST 3.0 L2のEVM対応アプリを利用したりする場合は、MetaMaskなどが選択肢になります。
同じウォレットで複数ネットワークを扱える場合でも、それぞれの残高は別々に記録されています。
売買用は取引所、L1の投票・DApp用はiWallet Pro、L2のサービス利用分はMetaMaskというように、目的別に分ける方法もあります。
ウォレット利用時の注意点
IOSTを送金する際は、秘密鍵の管理だけでなく、L1とL2の違い、MEMO、コントラクトアドレス、ガス代を確認する必要があります。
特に注意したい点は以下のとおりです。
- 送金元と送金先が同じIOSTネットワークへ対応しているか確認する
- 取引所が指定するMEMOを省略しない
- BSC版IOSTのコントラクトアドレスを公式情報で確認する
- IOST 3.0 L2では手数料用のBNBを用意する
- 初めて利用する送金先では少額で着金を確認する
IOST L1の取引所入金では、取引所共通のアカウント名と、利用者ごとのMEMO(入金者を識別する文字列)が指定される場合があります。
必要なMEMOを入力しないと、ブロックチェーン上では着金していても、自分の取引所口座へ反映されない可能性があります。
BSC上のIOSTは、L1のIOSTとは異なる形式で管理されるBEP-20トークンです。
公式ドキュメントで示されているBSC版IOSTのコントラクトアドレスは、以下のとおりです。
0xAf48B7e315a52518CfBF7d96C455D9dFAD94cB48
L1用のアカウント名へBEP-20版IOSTを送ったり、0x形式のアドレスへL1版IOSTを送ったりしないでください。
また、IOST 3.0 L2とBSCの間で資産を移動する場合は、対応する公式ブリッジと対応資産を確認する必要があります。
ブリッジを利用する際は、接続先、送付元、送付先、受取資産、手数料を確認し、最初は少額で試しましょう。
異なるネットワーク間で資産を移す前には、ブリッジの仕組みと安全に資産を移動する手順、誤送金を防ぐ確認項目をまとめた記事も確認しておきましょう。
アイオーエスティーのメリット

IOSTには、短いブロック間隔、JavaScriptによる開発、取引リソースの取得、EVM対応、RWA・決済への展開などのメリットがあります。
主なメリットは以下のとおりです。
- 短いブロック間隔で取引を処理できる
- JavaScriptでスマートコントラクトを開発できる
- IOSTを預けて取引処理用のiGASを得られる
- L1とEVM互換L2の両方を利用できる
- RWA・決済・分散型IDへ用途を広げている
短いブロック間隔で取引を処理できる
IOST L1では、約0.5秒ごとに新しいブロックが生成されます。
送金やDApp操作の結果がブロックへ含まれるまでの待ち時間を短くしやすい点がメリットです。
ゲーム、投票、少額決済など、利用者が頻繁に操作するサービスにも活用できます。
ただし、取引所への入金は、ブロック生成時間だけでなく、取引所が求める確認数や内部処理にも左右されます。
JavaScriptでスマートコントラクトを開発できる
IOST L1では、Web開発で広く使われているJavaScriptを利用できます。
JavaScriptの経験を持つ開発者が、ブロックチェーン開発へ参加しやすい点がメリットです。
トークン、NFT、ゲーム、投票、ポイントなどをスマートコントラクトとして実装できます。
IOST 3.0 L2ではSolidityにも対応しているため、JavaScript系とEVM系の開発環境を目的に応じて選べます。
IOSTを預けて取引処理用のiGASを得られる
IOST L1では、IOSTを預けることでiGASを生成できます。
十分なiGASを保有していれば、取引のたびにIOST残高を直接減らさずに処理を実行できます。
定期的に取引する利用者や、多数の操作を行うDAppにとって、利用量を事前に管理しやすい仕組みです。
一方、預けたIOSTは自由に移動できないため、資金の流動性とのバランスを考える必要があります。
L1とEVM互換L2の両方を利用できる
従来のIOST L1では、独自のPoB、アカウント名、iGAS・iRAM、JavaScriptスマートコントラクトを利用できます。
IOST 3.0 L2では、MetaMask、Solidity、Hardhat、OpenZeppelinなどのEVM環境を利用できます。
既存のL1機能を維持しながら、Ethereum系の開発者や利用者を取り込みやすい点がメリットです。
ただし、二つの環境があることで、利用者がネットワークや資産を混同しやすくなる面もあります。
RWA・決済・分散型IDへ用途を広げている
IOST 3.0は、暗号資産の送金やDAppだけでなく、現実資産のトークン化へ重点を移しています。
RWA、PayFi、Signetなどを組み合わせ、金融資産、決済、本人確認をつなぐ基盤を目指しています。
オンチェーンだけで完結しない現実のサービスへ利用範囲を広げられる可能性があります。
一方、計画や提携の発表だけでなく、実際に発行された資産、利用者、取引量、対応地域を確認することが重要です。
アイオーエスティーの注意点・リスク

IOSTは機能を拡張している一方、L1とL2の違い、トークン供給、ウォレット管理、エコシステムの利用状況などに注意が必要です。
主なデメリットは以下のとおりです。
- L1とL2でアドレスや手数料の仕組みが異なる
- トークンの追加発行による供給増加がある
- iGAS・iRAM・MEMOなど独自仕様を理解する必要がある
- DAppや資産の選択肢が大手チェーンより限られる場合がある
- RWAやPayFiの実用化は外部事業者や規制にも左右される
L1とL2でアドレスや手数料の仕組みが異なる
IOST L1では読みやすいアカウント名を利用し、IOSTを預けてiGASを取得します。
IOST 3.0 L2では0xから始まるアドレスを利用し、手数料をBNBで支払います。
BSC上にはBEP-20版IOSTも存在するため、同じ通貨名でも資産が存在する場所は一つではありません。
ネットワークを間違えると、取引所へ反映されなかったり、復旧できなかったりする可能性があります。
トークンの追加発行による供給増加がある
IOST L1では、ノードや投票者などへの報酬としてIOSTが追加発行されます。
IOST 3.0の新しい経済モデルでも、既存供給量と同規模の新規発行が計画されています。
新規発行分には段階的なロックがありますが、解除されたIOSTが流通すると売却可能な数量が増えます。
バーン制度によって一部が削減される予定でも、発行量を必ず上回るとは限りません。
価格への影響を判断する際は、最大値だけでなく、月ごとの解除量や実際の流通量を確認する必要があります。
iGAS・iRAM・MEMOなど独自仕様を理解する必要がある
IOST L1では、一般的なEVMチェーンとは異なるアカウントとリソースの仕組みを採用しています。
取引にはiGAS、データ保存にはiRAM、取引所入金にはMEMOが必要になる場合があります。
EthereumやBitcoinだけを利用してきた人にとっては、操作方法が分かりにくい可能性があります。
iWallet Proでは一部の操作を簡略化できますが、資産を送る前に各項目の役割を理解する必要があります。
DAppや資産の選択肢が大手チェーンより限られる場合がある
IOST L1には独自のDAppやトークンがありますが、EthereumやBNB Chainと比べて、利用者や流動性が限られる場合があります。
DAppの利用者が少ないと、トークン交換、NFT売買、レンディングなどで希望する条件の取引が成立しにくくなります。
IOST 3.0 L2はEVMへ対応していますが、対応しただけで既存のEthereumアプリが自動的に移行するわけではありません。
開発者、利用者、流動性、ウォレット、インフラを実際に増やせるかが重要です。
RWAやPayFiの実用化は外部事業者や規制にも左右される
RWAでは、ブロックチェーン上のプログラムだけでなく、現実資産の発行者、保管機関、監査会社などが関わります。
決済サービスでは、加盟店、金融機関、法定通貨への交換、本人確認、地域ごとの規制対応が必要です。
技術的に機能していても、法令や提携先の判断によって利用地域や対象者が制限される可能性があります。
提携額や将来計画だけでなく、実際の資産残高、償還実績、取引件数、利用者数を確認する必要があります。
現在の状況と今後の展望

2026年8月時点のIOSTは、2019年に公開した独自L1を維持しながら、IOST 3.0 L2を中心とするマルチチェーン型の構成へ移行しています。
IOST 3.0 L2は2025年3月に公開され、BNB Chainを基盤としたEVM互換環境が利用できるようになりました。
BSC上にはIOSTのBEP-20トークンが発行され、既存L1保有者を対象とするエアドロップやStakeDropも設計されています。
新規発行されるIOSTは、ノード報酬、エアドロップ、加盟店支援、開発者助成、DAO、チームなどへ割り当てられ、複数年かけて段階的に解除されます。
ガバナンスでは、IOSTを一定期間預けた参加者へveIOSTを付与し、Nexus DAOの提案や投票へ参加できる仕組みが示されています。
L1では、2025年9月にiWallet Pro v0.2.4が公開され、画面の再設計やワンクリックでのアカウント作成などが追加されました。
旧iWalletは更新を終了しているため、L1を利用する場合は、現在サポートされているiWallet Proを使用する必要があります。
2025年11月には、分散型ID認証に利用するIOST Signetアプリが公開されました。
2026年の重点分野として、Signetの機能拡張、RWA関連商品の公開、新しい地域へのコミュニティ拡大が示されています。
IOSTの現在の構成では、L1、BSC上のIOSTトークン、IOST 3.0 L2を分けて確認することが重要です。
L1で保有するIOSTが、自動的にBSCやL2へ表示されるわけではありません。
取引所、エアドロップ、ブリッジなど、それぞれ指定された方法で移動・受取手続きを行う必要があります。
また、公式ドキュメントに掲載された計画でも、すべての機能や対応資産が同時に利用できるとは限りません。
トークンを移動する前に、公式ウォレット、ブリッジ、取引所の最新対応状況を確認してください。
技術開発では、L1とL2ノードの保守、L2構成のモジュール化、ブロックエクスプローラー、RWA用スマートコントラクトなどの開発が進められています。
今後は、EVMへ対応するだけでなく、開発者が実際にアプリを公開し、利用者や流動性を増やせるかが課題です。
RWA分野では、トークン化された資産の規模だけでなく、資産の保管、償還、監査、取引市場を継続的に運用できるかが重要になります。
PayFiでは、加盟店や金融サービスとの連携を増やし、暗号資産に詳しくない利用者でも扱える決済体験を作れるかが注目点です。
Signetでは、生体認証と分散型IDを組み合わせていますが、対応サービス、端末管理、認証情報の更新などを含む実用環境の拡大が必要です。
IOSTの今後を判断する際は、市場価格だけでなく、L1とL2の稼働状況、新規発行分の解除、バーン実績、RWA残高、DApp利用者、ノードの分散、ウォレットやブリッジの更新状況を確認しましょう。
購入できる取引所

おすすめの取引所
「Coincheck(コインチェック)」では、IOST(アイオーエスティー)のような高速チェーン銘柄も手軽に売買できるので、手数料や送金スピードを意識した分散投資を考える人にも向いています。
仮想通貨デビューにも最適です。 Coincheckの口座開設はこちら!









