
仮想通貨の取引所で手数料表を見ると、メイカー・テイカーという言葉が出てきて、意味がつかみにくいと感じることがあります。
これは単なる専門用語ではなく、自分の注文が板に残るのか、すでにある注文を使って成立するのかを区別する考え方です。
同じ通貨を買う場面でも、注文の出し方によって手数料の扱いが変わることがあります。
この記事では、メイカー・テイカーの基本から、指値注文・成行注文との関係、手数料表の見方、初心者が気をつけたいポイントまで順番に見ていきます。
まず意味を押さえてから、注文方法や手数料の見方につなげていくと、取引画面でも判断しやすくなります。
- メイカーとテイカーの基本的な意味
- 指値注文・成行注文との関係
- メイカー・テイカー手数料の見方
- 初心者が意識したい使い分けと注意点
メイカー・テイカーとは?まず基本を確認
メイカー・テイカーは、仮想通貨の取引所で売買するときに、自分の注文がどちらの立場になるかを表す考え方です。
板取引では、板に新しく注文を置く側と、板にある注文を使って成立させる側が分かれます。
メイカーは板に注文を置く側
メイカーは、すでに並んでいる注文に飛びつくのではなく、自分の希望価格で注文を出して板に残す側です。
たとえば「この価格まで下がったら買いたい」と注文を置き、すぐには成立しない状態なら、基本的にはメイカーとして扱われます。
メイカーは板に注文を増やす役割を持つため、取引所によっては手数料が低めに設定されることがあります。
メイカーは「まだ成立していない注文を板に置いて待つ側」と考えるとイメージしやすいです。
価格を自分で決めて注文したいときの選択肢となります。
テイカーは板にある注文を成立させる側
テイカーは、すでに板に並んでいる注文を使って、その場で売買を成立させる側です。
今すぐ買いたいときに、板に出ている売り注文にぶつけるような形だと、テイカーとして扱われることが多いです。
すぐに成立しやすい一方で、取引所によってはメイカーよりも手数料が高めに設定されることがあります。
違いを先に比べるとこうなる
両者の違いを先に比べると、次のようになります。
| 項目 | メイカー | テイカー |
|---|---|---|
| 基本の動き | 板に新しい注文を置く | 板にある注文を使って成立させる |
| 基本的な注文方法 | 指値注文 | 成行注文 |
| 成立までの速さ | 待つことがある | すぐ成立しやすい |
| 手数料の傾向 | 低め・優遇される場合がある | 高めに設定される場合がある |
| 向いている考え方 | コスト重視 | スピード重視 |
メイカー・テイカーはどう決まる?
メイカーとテイカーは、指値注文か成行注文かという名前だけで決まるわけではありません。
実際には、その注文が板に残ったのか、それともすぐ約定したのかで決まります。
指値注文はメイカーになりやすい
指値注文は、自分で価格を指定して注文を出す方法です。
現在の板ですぐにぶつからない価格で置けば、その注文は板に残るため、メイカーとして扱われる事が多いです。
たとえば今の価格より少し安い水準で買い注文を出して待つ場合は、すぐには成立しないので、板に注文を供給する動きになります。
成行注文はテイカーになりやすい
成行注文は、価格を指定せず、その時点で出ている注文を使ってすぐに売買する方法です。
既存の注文を取りに行く形になるため、一般的にはテイカーとして考えると押さえやすいです。
すぐに成立しやすい反面、板が薄いと想定より不利な価格で約定することもあります。
そのため、手数料だけでなくどの価格帯まで約定してしまうかも見ておきたいところです。
指値注文でもすぐ約定するとテイカーになることがある
初心者がつまずきやすいのは、指値注文なら必ずメイカーだと思ってしまう点です。
しかし、自分では指値のつもりで出していても、その価格がすでに板に並んでいる反対注文とぶつかれば、出した瞬間に約定することがあります。
この場合は板に新しい注文を残していないため、テイカーとして扱われることがあります。
つまり、見るべきなのは注文方法の名前ではなく、注文が板に残ったかどうかです。
指値注文=必ずメイカーではありません。
メイカーかテイカーかを考えるときは、注文が板に残ったのか、その場で成立したのかを確認することが大切です。
メイカー・テイカー手数料とは?
メイカー・テイカーの違いが見えてくると、次に気になるのが手数料表の見方です。
ここでは、なぜ手数料が分かれているのか、どこを確認すると判断できるのかを見ていきます。
取引所が手数料を分ける理由
取引所は、板に注文を増やしてくれる参加者を増やしたいと考えています。
注文が厚くなるほど、希望する価格帯で売買が成立しやすくなり、市場の流動性も高まるためです。
そのため、板に注文を置くメイカーと、すぐに成立させるテイカーで、別の手数料を設定していることがあります。
メイカー手数料が低めになることがある
メイカーは市場に注文を置いて売買の機会を増やすため、取引所にとって歓迎される存在です。
そのため、メイカー手数料が低かったり、条件次第で優遇されたりすることがあります。
とくに売買回数が増えるほど、この差は無視しにくくなります。
取引コストを抑えたいなら、メイカーになりやすい注文の出し方を覚える意味はあります。
手数料表ではここを確認したい
手数料表を見るときは、数字だけでなく、どの取引に対する数字なのかまで確認することが大切です。
数字だけで判断すると、実際の使い方とズレることがあります。
次の3点は先に見ておくと判断しやすくなります。
- 販売所ではなく、板取引の手数料表かどうか
- メイカーとテイカーでどれくらい差があるか
- 銘柄や取引量で条件が変わらないか
「メイカーの方が安い」だけで終わらせないことが大切です。
実際に自分がどの注文方法を使うのかまで合わせて見ると、ミスマッチを減らしやすくなります。
初心者はどう使い分ける?
メイカーとテイカーは、どちらか一方だけが常に有利という話ではありません。
何を優先したいかによって、向いている使い方が変わります。
すぐに買いたい・売りたいならテイカー寄り
相場が動いているときや、タイミングを優先したいときは、テイカー寄りの考え方が合っています。
今ある注文を使って成立させるため、待ち時間が少なく、その場で売買できるからです。
ただし、手数料面ではやや不利になるため、何度も売買するならコスト差には気をつけたいところです。
コストを抑えたいならメイカー寄り
急いでいない場面では、板に注文を置いて待つ形の方がコストを抑えられます。
価格をあらかじめ決めたい人や、少しでも手数料差を減らしたい人には向いています。
一方で、希望価格まで来なければ成立しないため、売買のタイミングを逃すこともあります。
コストだけでなく、約定しやすさとのバランスも見て判断したいところです。
メイカー・テイカーを見るときの注意点
メイカー・テイカーは便利な考え方ですが、これだけで取引コストのすべてを判断できるわけではありません。
最後に、初心者が見落としやすい点を確認しておきましょう。
販売所ではこの考え方がそのまま当てはまりにくい
メイカー・テイカーは、主に板取引で使われる考え方です。
販売所では、提示された価格でそのまま売買する形が中心なので、この区分をそのまま意識しないこともあります。
同じサービスの中でも、販売所と取引所で仕組みが違うことがあるため、どの画面の話なのかを分けて見ることが大切です。
手数料無料でもスプレッド負担があることがある
取引手数料が無料と書かれていても、それだけで総コストが低いとは限りません。
とくにスプレッド(買値と売値の差)が広いと、見えにくい形で負担が出ることがあります。
そのため、メイカー・テイカーだけを見て判断するのではなく、販売所か板取引か、実際の価格差はどうかまで合わせて確認した方が安全です。
取引所ごとに条件や表記が違う
メイカー・テイカーの考え方自体は共通していますが、手数料率や優遇条件は取引所ごとに異なります。
銘柄や取引量によって条件が変わることもあり、表記方法も完全に同じではありません。
「メイカーが安いらしい」だけで口座を選ぶのは早いです。
実際に使う取引画面、対象銘柄、注文方法まで含めて確認しないと、想定した差が出ないことがあります。
メイカー・テイカーの考え方を踏まえて、実際に国内取引所の手数料差を見比べたい方は、
仮想通貨取引所の手数料はどこが安い?国内8社を入出金・送付まで比較【2026年版】
も確認してみてください。
取引手数料だけでなく、入金・出金・送付まで含めて比べると、口座ごとの違いが見えてきます。
よくある質問
ここでは、メイカー・テイカーについて迷いやすい点を短く確認します。
指値注文なら必ずメイカーですか?
必ずではありません。
指値注文でも、出した瞬間にすでにある注文とぶつかってすぐ成立すれば、テイカーとして扱われることがあります。
販売所でもメイカー・テイカーを意識した方がよいですか?
販売所では、この考え方をそのまま当てはめないことも多いです。
その場合は、メイカー・テイカーよりも提示価格やスプレッドを見た方が判断につながりやすくなります。
初心者はどこまで意識すればいいですか?
最初は、指値はメイカーになりやすい、成行はテイカーになりやすい、ただし例外もある、という理解で十分です。
板取引を使う場面では、自分の注文が板に残ったのか、その場で約定したのかを確認できれば十分です。
まとめ
メイカー・テイカーは、手数料表を読むための言葉というより、自分の注文が板に残るのか、すぐ約定するのかを理解するための考え方です。
板取引を使うときにこの違いを押さえておくと、コストを優先するのか、成立の速さを優先するのかを判断することが出来ます。
最後に、初心者が押さえておきたい要点をまとめます。
- メイカーは板に注文を置く側、テイカーは板の注文を成立させる側
- 指値注文はメイカーになりやすく、成行注文はテイカーになりやすい
- ただし、指値でもすぐ成立すればテイカーになることがある
- 手数料だけでなく、販売所か板取引か、スプレッドはどうかまで合わせて見ることが大切
メイカーとテイカーの違いがわかれば、板取引はもう怖くありません。
まずは少額から、自分の注文がどう約定するかを実際に体験して、賢いトレードの第一歩を踏み出しましょう!







