
「最近、レイヤー2(L2)ってよく聞くけど、レイヤー1(L1)との違いがいまいち分からない……」。
そんなモヤモヤを感じている初心者の方に向けて、
本記事ではレイヤー1(L1土台となる基本層)と
レイヤー2(L2処理を拡張する層)の違いを、
図解イメージを交えながらやさしく解説していきます。
難しい数学や専門的なプログラミング知識は必要ありません。
「ブロックチェーンの世界には、どんな“層(レイヤー)構造”があるのか」をざっくりつかむことで、
ニュースやプロジェクトの説明がグッと理解しやすくなります。
記事の後半では、代表的なL2の種類や、実際に利用するときのメリット・デメリット、
個人投資家としてL1・L2をどう使い分ければよいかも紹介します。
読み終わるころには、「とりあえず話題だから」ではなく、
自分で納得してレイヤーを選べるようになることを目指していきましょう。
L1・L2とは?ざっくりイメージから説明
最近の仮想通貨ニュースやSNSでは、「レイヤー2(L2)」という言葉をよく見かけます。
しかし、「レイヤー1(L1)と何が違うの?」「難しそう…」と感じている人も多いはずです。
そこでまずは、ネットワーク全体を「層(レイヤー)」として捉えるイメージから始めてみましょう。 ブロックチェーン取引記録の分散台帳は、 世界中の参加者で共有する一つの大きな台帳のような仕組みです。
ブロックチェーンそのものの仕組みを、もう少し基礎から押さえておきたい場合は、 仮想通貨とブロックチェーンの関係とは?初心者にもわかりやすく解説! もあわせてチェックしてみてください。
このレイヤー構造の中で、ネットワークの土台となる層がレイヤー1(L1土台となる基本層)、 その上で処理を肩代わりしてくれる拡張レイヤーがレイヤー2(L2処理拡張の第二層) だと考えるとイメージしやすくなります。
現実の世界にたとえると、L1は「街の幹線道路」、L2はその上に整備された「高速道路」のようなイメージです。 幹線道路だけでは混雑してしまうので、高速道路を増やして渋滞を緩和する、という発想に近いものだと捉えると分かりやすくなります。
最初のうちは細かい数式や暗号技術まで理解する必要はありません。
「L1=土台のチェーン」「L2=その上で動く、混雑を緩和するレイヤー」というざっくり像を持って読み進めてみてください。
レイヤー1(L1)ブロックチェーンとは|特徴と代表的な例
レイヤー1(L1)は、取引の記録と承認を直接行うメインのブロックチェーンです。 もっとも重要な役割は、「誰も改ざんできない形で取引を保存し続けること」と「最終的な決着をつけること」です。
代表的なL1としては、ビットコイン、イーサリアム、ソラナなどがあります。 これらは世界中の多数のノード(参加者)がそれぞれ台帳を持ち、相互にチェックしながらネットワークを成り立たせる パブリックチェーン誰でも参加できる です。
L1では、そのネットワークがどのように取引を承認するかを定めた コンセンサスアルゴリズム取引承認の仕組み (PoW や PoS など)が使われています。 また、一度チェーン上で確定した取引が事実上覆らなくなる「最終確定」の性質のことを ファイナリティ取り消されない確定 と呼びます。
L1はセキュリティと分散性を最優先に設計されている一方で、処理速度や手数料の面ではどうしても限界があり、 ここが後述するL2登場の背景にもつながっていきます。
レイヤー2(L2)ブロックチェーンとは|誕生した背景と役割
有名なL1であるイーサリアムなどでは、ユーザーやアプリケーションが増えるにつれて取引が詰まりやすくなり、 1件あたりの手数料も高くなるという スケーラビリティ問題処理量不足の課題 が顕在化しました。
そこで登場したのがL2です。 L2は、多くのトランザクション送金などの処理をL1の外側でまとめて処理し、 その結果だけをL1に書き込むことで、L1の負荷を大きく減らす仕組みです。
とくにイーサリアムのガス代と、L2を使うことでどのように手数料を抑えられるかは、 イーサリアムの「ガス代」はなぜ高い?L2でコストを劇的に下げる仕組みと使い方 で具体例を交えて解説しています。
このとき、「L1に直接記録する」のをオンチェーンチェーン上での記録の処理、 L2側で一時的に処理して後からまとめるのをオフチェーンの処理と呼ぶこともあります。 L2は、オンチェーンとオフチェーンをうまく組み合わせることで、「高いセキュリティ」と「快適な使い勝手」の両立を狙うレイヤーだと言えます。
まとめると、L1は「最終的な真実」を記録する土台、L2は「日々の細かい取引をさばくための高速レイヤー」という役割分担になっています。
レイヤー1(L1)とレイヤー2(L2)の違いを「3つの観点」で比較
L1とL2の違いは細かく見ると多岐にわたりますが、ここでは「セキュリティ」「処理性能(スケーラビリティ)」「ユーザー体験」という 3つの観点に絞って整理してみます。
| 観点 | L1 | L2 |
|---|---|---|
| セキュリティ | 多数のノードによる高い分散性を前提とした堅牢な土台 | L1のセキュリティを前提にしつつ、実装次第で追加リスクも存在 |
| 処理性能 | ブロックサイズやブロック間隔の制約で処理量に限界がある | 多数の取引をまとめて処理することで、高速・大量処理が可能 |
| 手数料・体験 | 混雑時は手数料が高騰しやすく、送金にも時間がかかる | 手数料が安く、送金も比較的スムーズでアプリも動かしやすい |
| 主な役割 | 最終的な取引記録の保存とネットワーク全体の安全性の確保 | ユーザーが実際に使うアプリや日常的な取引の処理を担う |
表の通り、L1とL2は「どちらが優れているか」ではなく、「役割が違う」と考えるのがポイントです。 L1がしっかりしているからこそ、L2も安心して利用できる、という関係になっています。
代表的なレイヤー2(L2)の種類と仕組み(ロールアップなど)
一口にL2といっても、いくつかの方式があります。 特にイーサリアム周りでよく語られるのが、取引をまとめて圧縮してL1に送る ロールアップ複数取引の一括圧縮 という仕組みです。
ここでは、代表的なL2の方式をざっくりとだけ整理しておきます。
- Optimistic Rollup不正な時だけ検証: 「基本的には正しい」と楽観的(Optimistic)にみなし、問題があるときだけ異議申し立てによる検証を行う方式。 Arbitrum や Optimism などがこのタイプです。
- ZK Rollup秘密のまま検証可能: ゼロ知識証明という技術を用いて、取引の詳細をすべて明かさなくても「正しいこと」を証明する方式。 zkSync や Starknet などが知られています。
- サイドチェーン: L1とは独立した独自チェーンを横に並べ、ブリッジを通じて資産を行き来させる方式。 セキュリティモデルがL1とは異なる点に注意が必要です。
- ステートチャネル: 2者間などのやり取りをオフラインで何度も行い、最終結果だけをL1に書き込む方式。 少人数での決済やゲームなどに向いています。
実際にどのL2チェーンを使うか検討したい場合は、 Arbitrum・Optimism・Polygonを徹底比較!目的別L2銘柄の選び方 で代表的なL2の違いを比較しています。
それぞれ仕組みやリスクの構造は異なりますが、「L1の負荷を減らしながらユーザー体験を良くする」という目的は共通しています。 実際に使う際には、「どの方式のL2なのか」「どの程度L1のセキュリティに依存しているのか」を確認しておくと安心です。
投資・利用する上でのメリット・デメリット
実際にL2を使うユーザーの立場から見ると、「手数料が安くなって便利になる」というメリットがある一方で、 L1とは違った種類のリスクも存在します。 ここでは、ざっくりとメリットとデメリットを整理しておきましょう。
まず、L2を使う主なメリットです。
- 送金やスワップ、NFT取引などの手数料(ガス代)がL1よりも安くなりやすい
- ネットワークの混雑が緩和されるため、取引の完了が比較的速い
- 新しいDeFiやNFTゲームなど、L2上に展開されるアプリにアクセスしやすい
一方で、L2特有のリスク・注意点もあります。
- L1とL2の間で資産を移動する ブリッジチェーン間の資金移動 がハッキングされるリスク
- L2やアプリを制御する スマートコントラクト自動実行される契約 のバグ・設計ミスによる資産凍結・流出リスク
- 少数の開発チームやオペレーターへの依存度が高くなることによる カウンターパーティリスク相手方の信用リスク
このように、L2には「安く・速く・便利に使える」という大きなメリットがある一方で、 L1以上にプロジェクトごとの信頼性や設計を見極める必要が出てきます。 金額を大きくする前に、少額で動作や仕組みを確認しておくと安心です。
個人投資家はどう意識すればいい?L1・L2との付き合い方
では、実際に仮想通貨を保有・利用する個人投資家は、L1・L2をどのように意識すればよいのでしょうか。 大切なのは、「自分のお金が今どのレイヤーにあるか」を把握しておくことです。
例えば、「長期でガチホするビットコインやイーサはL1に置いておき、少額をL2に送ってDeFiやNFTを試す」といった分け方が一つのイメージになります。 すべてをL2に置くのではなく、役割に応じてレイヤーを使い分ける発想です。
L1・L2を意識するための簡単なステップを挙げておきます。
- 自分が使っている取引所が、どのチェーンやL2に対応しているかを確認する
- 長期保有用の資産はL1に残し、少額だけをL2に移して実際の使い勝手を試してみる
- 新しいL2やブリッジを使うときは、公式情報や監査状況などを一度チェックする
どのレイヤーにどれくらい資産を置くかといった全体の配分は、 リスク許容度から逆算するポートフォリオ戦略|仮想通貨を「全財産」にしない線引き を参考にしながら決めると整理しやすくなります。
このように段階を踏んでいけば、「とりあえず話題だから全部L2へ」という極端な行動を避けつつ、 新しいレイヤーのメリットも享受しやすくなります。
よくある質問(FAQ)
ここでは、レイヤー1(L1)・レイヤー2(L2)について読者からよく寄せられる疑問をまとめました。
「全部L2に移しても大丈夫?」「L2が増えるとL1はどうなる?」といった、実際に投資や利用を考えるときに気になりやすいポイントを中心に解説していきます。
Q. L2の方が手数料が安いなら、全部L2で運用してもいいですか?
手数料だけを見ればL2の方が有利に見えますが、すべての資産をL2に置くのはリスクもあります。 L2やブリッジ、アプリごとの設計に依存する部分も多いため、長期保有分までまとめて移すのではなく、 「長期保有はL1」「日常的な利用や少額の運用はL2」と役割を分けるのがおすすめです。
Q. L2が普及したら、L1の価値は下がってしまいますか?
むしろ多くの場合、L2の普及はL1の重要性を高める方向に働きます。 なぜなら、L2が最終的な安全性や決済をL1に依存しているケースが多いからです。 ユーザーやアプリが増え、L2を含めたエコシステム全体が成長することで、 その土台となるL1の存在感が増していく、という見方が一般的です。
Q. サイドチェーンとL2は同じものですか?
サイドチェーンは「L1とは別のチェーンを横に並べる」イメージで、セキュリティも独自に確保します。 一方、狭い意味でのL2は「L1のセキュリティを前提に、処理だけを肩代わりする」設計を指すことが多いです。 どちらもL1の負荷を減らすという目的は似ていますが、セキュリティモデルが異なる点は押さえておきましょう。
Q. 取引所から直接L2に送金しても大丈夫ですか?
近年は、取引所から直接L2に送金できるケースも増えています。 ただし、取引所とL2の組み合わせが正しく対応しているか、送金先のネットワーク名が合っているかを必ず確認しましょう。 対応していないネットワークに送金してしまうと、資産を取り戻せない場合もあります。
まとめ|L1・L2を理解して仮想通貨・ブロックチェーンを俯瞰しよう
ここまで見てきたように、L1とL2は「どちらか一方を選ぶ」ものではなく、役割を分担しながら一つのエコシステムを形作っています。 L1はセキュリティと最終的な記録を担う土台、L2はユーザー体験を高めるための拡張レイヤーです。
ポイントは、「L1=土台」「L2=拡張」というシンプルなイメージを持ちつつ、自分の資産をどのレイヤーに置くかを意識しておくことです。 これだけでも、ニュースやプロジェクトの説明がぐっと理解しやすくなります。
記事を読み終えた今、次のポイントを押さえられていればOKです。
必要に応じて気になる箇所だけ読み返してみてください。
- 「L1=土台」「L2=拡張レイヤー」という役割の違いを説明できる
- 自分の資産が今どのレイヤーにあり、どのようなリスクを取っているか意識できる
- 新しいL2やブリッジを使うときに、仕組みや運営を一度は確認しようと思える
L1・L2のレイヤー構造を理解しておくと、個別プロジェクトのニュースや新しいサービスが出てきたときでも、 「これは土台側の話なのか、それとも拡張レイヤー側の話なのか」を整理しながら理解できるようになります。 少しずつ慣れながら、自分なりの安全な付き合い方を見つけていきましょう。

