GMOコインは、「手数料を抑えたい人向けの国内取引所」としてよく名前が挙がります。結論から言うと、 日本円の入出金と暗号資産の送金、そして取引所での売買手数料は国内でも有利な水準です。 一方で、販売所業者と直接売買窓口での売買は 他社と同様にスプレッド買値と売値の価格差があり、 板を使う取引所ユーザー同士が売買する場より割高になりがちです。

つまり、「とにかくワンクリックで買えればOK」という使い方だと、販売所スプレッドの分だけ トータルのコストが高くなりやすく、「板（取引所）も少しずつ使っていく」「出金や送金も活用する」 といったユーザーほど、GMOコインの手数料メリットを享受しやすいと考えましょう。

なお、手数料だけでなく「口座の安全性」や「運営体制」も気になる場合は、 GMOコインは危ない？東証プライム上場グループの安全性と注意点 でセキュリティ面もあわせて確認しておくと安心です。

「手数料が安いか高いか」を判断するときは、1つの項目だけを切り取るのではなく、 どの場面でどんなコストが発生するのかを分解して見るのが大切です。

GMOコインに限らず、国内の暗号資産取引所では、主に次の4つの手数料・コストを意識することになります。

• 日本円の入金・出金手数料（銀行口座とのお金の出し入れ）
• 販売所でのスプレッド（表面上は「手数料無料」だが価格差がコスト）
• 取引所（板取引）での売買手数料（Maker／Taker手数料）
• 暗号資産の送金手数料（他の取引所やウォレットへの出庫コスト）

「販売所」と「取引所」の基本的な違いについては、 取引所と販売所の違いとは？初心者でもわかる仮想通貨の買い方ガイド でも図解しながら解説しているので、「そもそも何が違うのか」を確認したい人は先に目を通しておくと理解しやすくなります。

この記事では、この4つの観点でGMOコインの特徴を整理しつつ、CoincheckやbitFlyerなど 主要取引所との比較も交えながら、「どんな使い方ならGMOコインがコスパ良く使えるか」 を見ていきます。

GMOコインでは、日本円の入出金コストをかなり抑えやすい設計になっています。 日本円の入金には即時入金対応銀行から即時反映と 銀行振込（振込入金）の2種類があり、どちらも取引所側の手数料は無料です（振込手数料は銀行側の負担）。 出金についても、2,000万円以下なら手数料無料で、日本円を引き出せます。

「小さな入出金が多い」「こまめに銀行口座へ戻したい」といった人にとっては、 この日本円まわりの無料設計は、長期的に見て大きな差になりやすいポイントです。

高額出金を頻繁にするケースでなければ、「日本円を動かすたびに数百円かかる」といった心配は少なく、 他社と比べてもかなり使いやすい部類と言えます。

GMOコインの販売所簡単購入向けのサービスでは、 「取引手数料無料」と表示されることが多いものの、実際には購入価格と売却価格の差である スプレッドが実質的なコストになります。 これはGMOコインに限らず、国内の多くの販売所で共通する仕組みです。

例えば、市場の板価格（取引所）がビットコイン300万円付近のとき、販売所の買値が305万円、 売値が295万円のようになっていると、差額の10万円分が「見えない手数料」のように効いてきます。 少額でも頻度が多くなると、長期的なパフォーマンスにじわじわ影響してくる部分です。

GMOコインの現物取引所板を使う現物売買では、 指値注文で板に流動性を提供するMaker板に注文を出す側に マイナス手数料が設定されています。 これは、取引が成立した際に手数料を支払うのではなく、取引所から報酬として手数料相当額を受け取れる仕組みです。

主要銘柄（BTC・ETH・XRP・DAI）とそれ以外の銘柄で手数料水準が分かれており、 いずれの場合も「Makerはマイナス・Takerはプラス」という構造になっています。

短期売買を頻繁に行うトレーダーにとっては、この「Makerでマイナス手数料」という仕組みが大きな魅力になります。 一方で、「成行で一度だけまとめて買いたい」といったケースではTaker手数料側が効いてくるため、 どちらの注文をどのくらい使うのかをイメージしておくと良いでしょう。

GMOコインでは、ビットコインやイーサリアムをはじめとする多くの暗号資産について、 外部ウォレットや他取引所への送金手数料を取引所側が負担してくれます。 そのため、ユーザーはネットワーク手数料相当をGMOコインに支払う必要がなく、 「送金にかかるコストゼロ」で資産を動かしやすいのが特徴です。

他社では、ビットコイン1回の送金で数百円〜数千円相当の手数料がかかることも珍しくないため、 DeFiや別の取引所を併用したい中級者以上にとっては、大きな差になりやすいポイントと言えます。

送金手数料のルールは銘柄やサービスの見直しによって変わる可能性もあるため、 実際に送金する前に、最新の手数料一覧を公式サイトで確認しておくと安心です。

日本円の出金手数料は、「銀行口座にお金を戻すたびに必ずかかる」ため、 長期的にはバカにできないコストです。ここではGMOコインと、代表的な国内取引所の 日本円出金手数料をざっくり比較してみます。

このように、「通常の出金が無料」という点でGMOコインはかなり有利な設計です。 少額でもこまめに銀行口座へ戻したい人や、「とりあえず一度利確しておきたい」という場面が多い人ほど、 この差が効いてきます。

比較対象としてよく名前が挙がるコインチェックについては、 コインチェックの手数料は高い？主要取引所との比較からわかる結論 で、日本円入出金や販売所・取引所手数料を詳しく整理しています。

続いて、代表的なビットコイン（BTC）の送金手数料を比較してみます。 実際の水準は相場や各社の見直しによって変わりますが、「GMOコインは送金手数料を取引所側が負担する」 という点が特徴的です。

DeFiや他の海外取引所を併用する場合、暗号資産の送金回数はどうしても増えがちです。 そのたびに数千円ずつ手数料がかかると、せっかくの利回りや値上がり益が目減りしてしまいます。 暗号資産を「動かしながら使う」スタイルの人こそ、GMOコインの送金手数料無料は大きなメリットになります。

販売所スプレッドとは、「今この瞬間にいくらで買えて、いくらで売れるか」の差のことです。 たとえば、ビットコインの市場価格が300万円前後のとき、販売所での買値が305万円、 売値が295万円なら、その10万円分がスプレッドに相当するイメージです。

この差額はチャートには直接表示されず、「取引した瞬間に評価損からスタートする」形で効いてくるため、 手数料として意識しづらいのが難点です。 GMOコインに限らず、国内の多くの販売所は似たような仕組みになっているため、 「販売所は手軽だけれど、そのぶんコストが高めになりやすい」と理解しておきましょう。

販売所と取引所の違いを、シンプルな例で整理してみます。 あくまでイメージしやすくするための数字ですが、「どこでコスト差が生まれるのか」を掴む参考になります。

少額を1回だけ購入するのであれば、販売所の「わかりやすさ・早さ」が勝つ場面もあります。 しかし、長期的にコツコツ買い増すつもりなら、取引所（板）も少しずつ使えるようになった方が トータルのコストは抑えやすいというイメージを持っておくとよいでしょう。

先ほど見た通り、GMOコインの現物取引では、Maker側にマイナス手数料が設定されています。 これは、板に指値注文を置いて約定すると、取引所側から手数料相当額がキャッシュバックされる仕組みです。

主要4銘柄（BTC・ETH・XRP・DAI）ではMaker -0.01% / Taker 0.05%、 それ以外の銘柄ではMaker -0.03% / Taker 0.09%といった水準で、 Maker側であれば「取引すればするほど、わずかに資金が増えていく」イメージになります。

次に、ビットコインの現物取引を例に、GMOコインと主要取引所の板取引手数料をざっくり比較してみます。 手数料水準はキャンペーンや取引量によって変動するため、あくまで「傾向」を掴むための目安として見てください。

「板取引で頻繁に売買する人」にとっては、Maker手数料がマイナスかどうか、 Taker手数料がどの程度か、という違いがパフォーマンスに直結します。 一方で、「月に1回買うだけ」といった人であれば、この差はそこまで大きな問題にならないケースもあります。

手数料だけを見ると、「とにかく全部取引所でやるべき」と考えたくなりますが、 実際には、投資額や頻度、経験値によってベストな使い分けは変わります。

• まずは少額で体験したい初心者：最初の1回だけ販売所、その後は取引所も少しずつ練習
• 毎月コツコツ積立したい人：つみたて機能＋押し目で取引所から買い増し
• 短期売買が多いトレーダー：基本は取引所、販売所は緊急時の「すぐに売りたいとき」用

GMOコインは、「販売所の手軽さ」と「取引所の低コスト」をどちらも選べる設計なので、 自分のスタイルに合わせてバランスを決めていくイメージが持てると良いでしょう。

「まずは数千円〜1万円くらいで試してみたい」という初心者の場合、 最初の1回だけは販売所でサクッと購入してみるのも選択肢です。
そのうえで、2回目以降は取引所の使い方も少しずつ覚えていくと、 スプレッドによるコストを抑えやすくなります。

GMOコインは日本円の入出金手数料が基本無料なので、 「買ってみて不安になったら一度全部円に戻してみる」といった動きも 他社に比べて試しやすいのがメリットです。

中長期でビットコインやイーサリアムをコツコツ積み立てたい人にとっては、 日本円の出金無料と、取引所のマイナス手数料の組み合わせが特に相性が良いです。

• 基本：毎月・毎週の自動積立でドルコスト平均
• 下落局面：取引所で指値注文を置き、Makerマイナス手数料も活かす
• 資金が必要になったとき：日本円出金無料でスムーズに現金化

このように、「自動積立＋板の押し目買い＋必要なときだけ出金」という流れを組み合わせると、 手数料を抑えつつ、自分のペースで資産形成を進めやすくなります。

GMOコインの積立機能そのものの仕組みや設定方法については、 GMOコインの「つみたて暗号資産」はどう？メリット・デメリットとおすすめ活用法 で詳しく解説しています。

デイトレードやスイングトレードなど、短期売買を頻繁に行う人にとっては、 1回あたりの手数料差がそのまま年間の成績に跳ね返ってきます。 GMOコインはMakerマイナス手数料＋日本円・暗号資産の出金無料という組み合わせにより、 「往復コスト」を抑えやすい環境です。

ただし、レバレッジ取引や暗号資産FXには別途ロスカット手数料やレバレッジ手数料が発生します。 これらはリスクも大きくなるため、利用前に必ず仕組みを確認し、 自分のリスク許容度の範囲で使うことが大切です。

こうした「アクティブトレード向きかどうか」を含め、手数料以外の観点も含めて自分との相性を確認したい場合は、 GMOコインが向いている人・向いていない人｜Coincheck・BITPOINTとの比較でタイプ診断 もチェックしてみてください。

GMOコインで「無料」とされているのは、主に日本円の入出金手数料や暗号資産の送金手数料などです。 一方で、販売所ではスプレッドという形で実質的なコストがかかり、 取引所でもTaker側には所定の手数料が発生します。

「どの場面が無料で、どこにコストが隠れているのか」を理解したうえで使うことで、 手数料負けを防ぎやすくなります。

純粋なコストだけで見れば、取引所（板）で指値注文を出して約定させるほうが、 販売所よりも安く買えるケースがほとんどです。 ただし、取引所は「板の見方」や「指値・成行注文」の理解が必要なため、 始めたばかりの人には少しハードルが高く感じられるかもしれません。

はじめは販売所で少額を試しつつ、慣れてきたら取引所にシフトしていく、 という二段階のステップを踏むのがおすすめです。

手数料を抑えたい場合は、次の3つを意識するとよいでしょう。

• 日本円の入出金はGMOコインをメインにし、無料枠を活用する
• 販売所だけでなく、取引所（板）での指値注文も使ってみる
• 暗号資産の送金は、GMOコイン側手数料が無料のメリットを活かす

これだけでも、他社に比べてトータルのコストをかなり抑えやすくなります。

手数料は、相場状況やサービスの見直しによって変更されることがあります。 具体的な数字や最新のキャンペーン情報は、必ずGMOコイン公式サイトの 「手数料（入出金・取引）」ページで確認するようにしましょう。

本記事の内容も、執筆時点の情報をもとにした一般的な解説であるため、 実際に取引する際は公式の表示を最優先してください。

GMOコインは、日本円の入出金手数料や暗号資産の送金手数料が無料で、 取引所のMaker手数料もマイナスに設定されているなど、 「動かしながら使う」ユーザーにとって魅力的な手数料体系を持つ取引所です。

一方で、販売所スプレッドは他社と同様に存在するため、 販売所だけに依存すると「手数料無料のつもりが実はコストがかさんでいた」という状態になりかねません。 自分の投資スタイルに合わせて、販売所と取引所をうまく使い分けていくことが大切です。

「どの取引所が一番安いか」だけでなく、 「自分はどんな取引をどれくらいの頻度でするのか」から逆算して、 手数料との付き合い方を決めていくと、長期的に見て納得感のある取引がしやすくなります。

なお、「GMOコインを含めてどの取引所をメインにするか」を比較検討したい人は、 【2025年最新】安心して使える仮想通貨取引所ランキング｜初心者向けの選び方も徹底解説 もあわせて読んでおくと、手数料以外の観点も含めて判断しやすくなります。