
「ビットコインさえ持っておけば大丈夫でしょ?」──そんな感覚のまま、値動きの激しい仮想通貨に大きな資金を入れてしまうと、
予想外の下落で一気に資産が目減りするリスクを抱えることになります。
株や投資信託以上にボラティリティが大きく、プロジェクト寿命も読みづらい仮想通貨の世界では、
資産を守りながら長く投資を続けるために
分散投資
の考え方が欠かせません。
本記事では、ビットコイン(BTC)・イーサリアム(ETH)を「コア資産」としてどう位置づけるかを起点に、
どんな種類のアルトコインやステーブルコインを、どのくらいの比率で組み合わせるとよいのかを、初心者にもわかりやすく整理していきます。
具体的なポートフォリオ例や運用ルールの作り方も紹介しますので、「何をどれくらい持てばいいのか分からない」という方は、
ぜひ自分なりの分散スタイルを考えるヒントにしてみてください。
仮想通貨こそ「分散投資」が生命線と言われる理由
仮想通貨投資の相談を聞いていると、「ビットコインだけ」「草コインに全力」といった一点集中のポートフォリオになっているケースが少なくありません。
しかし、価格変動が激しく、プロジェクトの寿命も読みづらい仮想通貨市場では、資金を守るために
分散投資複数に資金を分ける投資
がほぼ「必須の前提」となります。
価格変動が激しい市場で「一点集中」が危険なわけ
仮想通貨は、1日で10%以上値動きすることが珍しくありません。プロジェクトの不祥事や規制ニュースが出れば、1日で30〜50%下落することもあります。
もし1つの通貨だけに資金を集中させていると、その通貨が大きく下落したタイミングで資産全体が一気に目減りしてしまいます。
一方、複数の通貨に分散していれば、ある通貨が下落しても、他の通貨が横ばい〜上昇していることで、ダメージを部分的に吸収できます。
「儲けを最大化するための分散」というより、まずは退場しないための分散と考えるのがポイントです。
なお、「そもそも仮想通貨ってどういう仕組みで、どうやって買えばいいのか」という基礎から整理したい場合は、 初心者向け|仮想通貨とは?仕組み・買い方・リスクまでやさしく解説 もあわせてチェックしておくと、このページで紹介する分散投資のイメージがつかみやすくなります。
日本の個人投資家にありがちなポートフォリオの偏り
日本の個人投資家で多いパターンは、次のようなものです。
- 国内取引所で最初に買ったBTCまたはETHだけを持ち続けている
- 一度当てたアルトコインに自信を持ち、似たタイプの通貨ばかり買い足す
- 短期で値上がりした草コインに大きく偏ってしまう
これらは一見「分散しているように見えて」、実は同じような値動きをする通貨に偏っているケースが多く、本来期待される分散効果が働いていないことがよくあります。
この記事のゴール:BTC・ETH+αで「落としどころ」を決める
本記事では、仮想通貨投資の軸となるBTC・ETHに加えて、「どんな種類のアルトコインを」「どのくらい組み合わせるか」という考え方を整理していきます。
銘柄当てゲームではなく、自分なりのルールを持った分散ポートフォリオを作ることがゴールです。
ここで紹介する比率や銘柄はあくまで一例です。
年齢・収入・資産額・他の投資状況によって「ちょうどいい分散の形」は変わるため、自分の状況に合わせてアレンジする前提で読み進めてください。
そもそも分散投資とは?仮想通貨版の考え方
分散投資と聞くと、「銘柄をたくさん持てばOK」と思われがちですが、重要なのは数ではなくリスクの種類を分けることです。
仮想通貨版の分散投資を理解するために、まずは基本の考え方を整理しておきましょう。
分散投資の基本:銘柄・資産クラス・時間の分散
一般的に分散投資には、主に次の3つの軸があります。
- 銘柄の分散(BTC・ETH・アルトなど複数に分ける)
- 資産クラスの分散(仮想通貨だけでなく株式・現金なども持つ)
- 時間の分散(積立などで購入タイミングを分ける)
仮想通貨の世界では、つい「どの通貨を買うか」だけに意識が向きがちですが、実際には日本円などの現金や他の資産とのバランスも含めて考えることが重要です。
株式・投資信託との違い:ボラティリティとリスクの質
株式や投資信託でも分散投資は基本ですが、仮想通貨との大きな違いは
ボラティリティ価格変動の大きさ
の高さです。
日々の値動きが大きい分、同じ「分散しているつもり」でも、実際のリスクははるかに高くなりがちです。
また、株式の場合は企業の業績や配当が価値の裏付けになりますが、多くの仮想通貨はプロジェクトの将来性やコミュニティの期待に価値が依存しています。
そのため、プロジェクト終了=通貨の価値がほぼゼロになる可能性もゼロではない点に注意が必要です。
「なんとなくたくさん持つ」は分散ではない
10銘柄以上を保有していても、実は同じようなテーマ・同じような値動きの通貨ばかりだと、分散効果は限定的です。
例えば、「ゲーム系銘柄ばかり」「レイヤー1銘柄ばかり」といったケースでは、マーケット全体のトレンド次第でポートフォリオ全体が同じ方向に大きく動いてしまうことがあります。
大事なのは銘柄数ではなく、「なぜその銘柄を組み合わせているのか」という役割の分け方です。この記事では、後ほど役割ごとの分類も紹介します。
ビットコインやイーサリアム以外の通貨を広く「アルトコイン」と呼びますが、その中にも決済系・インフラ系・ゲーム系などさまざまなタイプがあります。
アルトコイン全体の概要や代表的な種類は、
アルトコインとは?ビットコインとの違いと注目の通貨を初心者向けに解説!
でまとめているので、「どんな選択肢があるか」をざっくり把握しておきたい方は先に目を通しておくと良いでしょう。
仮想通貨特有のリスクと、集中投資の落とし穴
分散投資の必要性を理解するには、まず「仮想通貨ならではのリスク」を押さえておくことが重要です。株式とは違うリスクが存在するからこそ、一点集中は危険度が増します。
仮想通貨特有のリスク全体像や、暴落・ハッキング・詐欺などの代表的なパターンについては、 仮想通貨のリスクとは?詐欺・暴落・ハッキングの回避法を初心者向けに解説 や、 仮想通貨詐欺の手口と見抜き方|初心者が絶対に知っておきたい安全対策 で具体例とあわせて紹介しています。ここで一度リスクの種類を整理してから、自分の分散方針を考えるのもおすすめです。
暴騰・暴落が日常茶飯事という前提
仮想通貨市場では、ニュースやX(旧Twitter)の投稿ひとつで、短期間に大きく価格が動くことがあります。
とくに時価総額が小さいアルトコインは、買いが集中すると短期間で数倍になる一方、熱が冷めると同じくらい急落することも珍しくありません。
こうした環境では、「一時的に含み損になるのは当たり前」と考え、その前提でポートフォリオ全体のリスクをコントロールする視点が欠かせません。
ハッキング・バグ・規制リスクも無視できない
仮想通貨には、価格変動以外のリスクもあります。例えば、以下のようなものです。
- 取引所やウォレットのハッキング
- プロジェクトのスマートコントラクトのバグ
- 規制強化や上場廃止による流動性の低下
技術的なリスクや規制リスクは、個人投資家が完全にコントロールすることはできません。だからこそ、「1つのプロジェクトにすべてを賭けない」というリスク前提の分散が重要になります。
実際に国内でも、過去にはコインチェックで大規模なハッキング事件が起き、その後に運営体制やセキュリティが大きく見直された事例があります。
こうした経緯や現在の安全性のポイントは、
コインチェックは危ない?過去のハッキングと現在の安全性のポイント
などの事例から学んでおくと、「どこにどんなリスクがあるのか」を具体的にイメージしやすくなるでしょう。
アルトコイン一点勝負とレバレッジの危うさ
将来性がありそうなアルトコインを見つけると、「これに全力で入れれば一気に資産を増やせるかも」と考えたくなります。
さらにレバレッジ取引を組み合わせると、うまくいけば短期間で大きく増える一方、少しの逆行で資産のほとんどを失うリスクも背負うことになります。
分散投資の考え方は、現物だけでなくレバレッジ取引にも当てはまります。
「レバレッジ × アルト一点集中」は、仮想通貨の中でも特にハイリスクな組み合わせであることを理解しておきましょう。
BTC・ETHを「コア資産」として考える
仮想通貨の分散投資を考えるうえで、多くの投資家にとって中心になるのがビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)です。
まずはこの2つを「コア資産」として位置づける理由から整理します。
なぜまずはBTC・ETHなのか(時価総額・歴史・流動性)
BTCとETHは、どちらも時価総額が大きく、取引量も豊富で、世界中の取引所で取り扱われています。
歴史が比較的長く、情報量も多いため、プロジェクトの中身やリスクを調べやすいというメリットもあります。
他のアルトコインと比べると、もちろん値動きは激しいものの、相対的には「まだマシなリスク」と言える存在です。まずはこの2つを中心に据え、その上でアルトコインをどう組み合わせるかを考えていくのがおすすめです。
BTCの役割:デジタルゴールド/価値の保存
ビットコインは、発行上限が決まっている仕組みから「デジタルゴールド」と呼ばれることがあります。
中長期的に価値保存の役割を期待する投資家が多く、「仮想通貨の中で最もシンプルな投資テーマ」を持つ通貨とも言えます。
そのため、ポートフォリオの中では「軸となる長期保有枠」として位置づける人が多く、頻繁に売買せずコツコツ積み立てていくスタイルとも相性が良い通貨です。
ETHの役割:インフラ・スマートコンテラクト基盤
イーサリアムは、さまざまなアプリケーションを動かすための基盤となる
スマートコントラクト条件で自動実行される契約
を提供しています。
DeFiやNFT、ゲームなど、多くのプロジェクトがイーサリアム上で動いているため、「インフラ銘柄」としての性質が強い通貨です。
その分、成長余地も大きいと考える投資家が多く、ポートフォリオの中では「成長期待のコア資産」としてBTCと並べて持つ形がよく選ばれます。
BTC:ETHの比率をどう考えるか
BTCとETHの比率に正解はありませんが、リスク許容度に応じて次のようなイメージを持つと検討しやすくなります。
- 安定寄りにしたい → BTC多め(例:BTC70%・ETH30%)
- 成長寄りにしたい → ETH多め(例:BTC40%・ETH60%)
- バランス重視 → 半々(例:BTC50%・ETH50%)
まずはBTCとETHの比率をざっくり決め、そのうえで「コア以外にどれくらいアルトコインを足すか」を考えていくと、全体像をイメージしやすくなります。
BTC・ETH以外に何を組み合わせる?分散先のタイプ別整理
コアとなるBTC・ETHを決めたら、次は「それ以外にどんなタイプの通貨を足すか」を考えていきます。ここでは、代表的なタイプ別に役割とリスクのイメージを整理します。
実際にどんな通貨を候補にできるかは、普段使っている国内取引所によっても変わります。
例えばコインチェックをメインで使っている場合は、
コインチェック取扱通貨36銘柄一覧
を眺めながら、「どのジャンルの銘柄をどのくらいポートフォリオに組み込むか」をイメージしてみると、具体的な分散先を考えやすくなります。
DeFi関連・インフラ系(DEX・レンディング・オラクルなど)
分散型取引所(DEX)やレンディングサービス、価格情報を提供するオラクルなど、DeFiインフラを支える銘柄も人気です。
例として、ユニスワップ(UNI)やアーベ(AAVE)、チェーンリンク(LINK)などが挙げられます。
DeFiそのものの仕組みや代表的なサービスの種類については、 DeFiとは?銀行なしで資産運用する次世代の金融サービスをわかりやすく解説! で全体像を整理しています。また、「なぜDeFiは高利回りになりやすいのか」「どんなリスクがあるのか」をもう一歩踏み込んで理解したい場合は、 【DeFi投資】なぜ利回りは高いのか?非中央集権型の仕組みとリスクの種類を解説 をあわせて読んでおくと安心です。
「インフラ系だから安全」と思われがちですが、スマートコントラクトの脆弱性や、トークンの価値がプロトコルの収益に十分連動していないケースもあり、通貨としての価格が安定するとは限りません。
なお、国内サービスの範囲で分散を考える場合は、
貸暗号資産やステーキング、つみたてなど「どのサービスを組み合わせるか」によっても
リスクとリターンのバランスが変わってきます。
コインチェックで利用できる主なサービスの全体像は、
コインチェックでできること完全ガイド
で整理しているので、「どの手段で運用を分散するか」を考えるヒントにしてみてください。
NFT・ゲーム系・エンタメ系銘柄
NFTマーケットプレイスやブロックチェーンゲーム関連の通貨は、トレンドが乗ったときの値上がりポテンシャルが大きい一方で、熱が冷めると急速に取引量が減るリスクがあります。
テーマ性が強いぶん、「盛り上がりの旬」が短くなる傾向もあります。
そのため、ポートフォリオ全体の中では「ハイリスク・ハイリターン枠」として位置づけ、比率をあらかじめ決めておくことが大切です。
いわゆる「草コイン」ポジションの考え方
時価総額が小さい通貨や、新しく出てきたばかりの通貨は、いわゆる「草コイン」と呼ばれます。うまくハマれば短期間で大きな利益を得られる可能性がある一方、プロジェクトが頓挫したり、取引所から上場廃止になるリスクも高い領域です。
そのため、草コインは「宝くじ枠」として、総資産の数%以内など、事前に上限を決めておくのがおすすめです。
ゼロになっても生活に影響がないお金だけを使う、というルールを徹底しましょう。
目的別:仮想通貨ポートフォリオの組み方例
ここからは、目的やリスク許容度に応じたポートフォリオのイメージ例を紹介します。実際には、年齢や他の資産状況によって調整が必要ですが、「考え方の型」として参考にしてみてください。
安定重視派:BTC・ETH中心+少しだけアルト
「仮想通貨には興味があるが、大きく損をしたくない」という人は、BTC・ETHを中心に据え、アルトは少なめにする構成が向いています。例えば次のようなイメージです。
| 資産の役割 | 例 | 目安の比率イメージ |
|---|---|---|
| コア安定枠 | BTC | 50% |
| 成長コア枠 | ETH | 30% |
| サテライト枠 | L1/L2・インフラ系アルト | 20% |
比率はあくまで一例ですが、まずはBTCとETHで全体の7〜8割を構成するイメージを持つと、リスクを抑えやすくなります。
成長重視派:ETH・L1/L2を厚めにするパターン
より成長性を取りに行きたい場合は、ETHやL1/L2といった「インフラ・プラットフォーム系」の比率をやや高めにする選択もあります。例えば、
- BTC:30%
- ETH:40%
- L1/L2・インフラ系アルト:20%
- テーマ系・草コイン:10%
このように、コアは維持しつつも、成長余地のある領域にウェイトを置くことで、リターンの伸びを狙うイメージです。ただし、アルト比率が高くなるぶん、下落局面での振れ幅が大きくなる点は必ず意識しておきましょう。
初心者の積立投資モデル:まずはBTC×ETHのみでもOK
いきなり複数のアルトコインを選ぼうとすると、情報を追いきれず疲れてしまうこともあります。
投資を始めたばかりの人は、まずBTCとETHだけを積立でコツコツ買っていくというシンプルなモデルから始めるのも良い選択です。
数ヶ月〜1年ほど経験を積み、市場の雰囲気に慣れてきた段階で、興味のある分野(L1/L2・DeFi・ゲームなど)に少しずつサテライト枠を広げていくと、無理なく分散を進めやすくなります。
毎月の買付を自動化したい場合は、
銀行口座から自動で引き落とされる積立サービスを使うと「時間の分散」がしやすくなります。
例えばコインチェックの積立機能については、
コインチェックつみたてのメリット・デメリットとおすすめ活用法
を参考にしながら、自分に合った積立額や頻度を検討してみるのも良いでしょう。
少額で「夢を見る枠」をどう扱うか
「せっかく仮想通貨をやるなら、草コインでも一発当ててみたい」という気持ちも自然なものです。
その場合は、総資産の◯%以内(例えば1〜5%など)と上限を決め、あくまで「当たればラッキー」枠として扱うことが重要です。
夢を見る枠が大きくなりすぎると、いつの間にか全体がハイリスクポートフォリオになってしまいます。ワクワクを楽しみつつ、冷静に枠の上限を守る意識を持ちましょう。
分散投資の実践ステップ
ここまでの内容を踏まえて、実際に分散投資を始めるときのステップを整理します。
「なんとなく」ではなく、順番に決めていくことで、自分なりのルールを作りやすくなります。
STEP1:投資目的と期間を決める
まず大事なのは、「何のために」「どのくらいの期間」仮想通貨に投資するのかを決めることです。
例えば、「老後資金の一部として20年スパンで保有する」のか、「数年〜10年スパンで資産の一部を成長させたい」のかによって、取れるリスクは変わります。
目的がはっきりしていると、相場が荒れたときに「最初の前提」に立ち返りやすくなり、感情的な売買を減らすことにつながります。
STEP2:リスク許容度をざっくり把握する
次に、「資産がどのくらい減る可能性まで許容できるか」を自分なりに考えてみましょう。
例えば、「一時的に30%減っても許容できるのか」「10%でも不安で眠れなくなるのか」によって、組むべきポートフォリオは変わります。
リスク許容度は、年齢や収入だけでなく、性格や家族構成にも影響されます。他人のポートフォリオをそのまま真似するのではなく、自分の心が耐えられる範囲を基準にしましょう。
仮想通貨にどこまで資産を割り当てるかを「リスク許容度」から逆算して考える方法は、 リスク許容度から逆算するポートフォリオ戦略|仮想通貨を「全財産」にしない線引き で具体的な考え方や目安を紹介しています。自分ひとりではラインが決めづらいと感じる場合は、あわせて参考にしてみてください。
STEP3:コアとサテライトの割合を決める
目的とリスク許容度が見えてきたら、「コア資産(BTC・ETH)」と「サテライト資産(アルト)」の大まかな割合を決めます。
例えば、
- コア:サテライト=8:2(安定寄り)
- コア:サテライト=7:3〜6:4(バランス)
- コア:サテライト=5:5(成長寄り)
この比率を「自分の基本形」として決めておくと、相場が動いたときにリバランス(配分調整)しやすくなります。
STEP4:通貨選定チェックリストを持つ
アルトコインを選ぶときは、その場のノリではなく、あらかじめ決めたチェックポイントに沿って判断するのがおすすめです。例えば、次のような観点があります。
- 時価総額・取引量は十分か
- プロジェクトの目的とビジネスモデルは理解できるか
- 開発やコミュニティの活動が継続しているか
- 信頼できる取引所に上場しているか
すべてを完璧に調べる必要はありませんが、「最低限これだけは見る」という自分なりのチェックリストを持つことで、衝動的な購入を減らすことにつながります。
STEP5:取引所・ウォレットも「分散」する
分散投資は銘柄だけの話ではありません。
資産を預ける場所についても、1つの取引所やウォレットに集中させず、複数に分けておくことで、万が一の障害・ハッキングリスクを軽減できます。
例えば、「メインの取引所」「サブの取引所」「長期保管用ウォレット」といった形で役割を分けておくと、どこか1カ所にトラブルがあっても、資産全体が止まるリスクを減らせます。
国内取引所については、「どこをメインにして、どこをサブにするか」を考えること自体が分散の一部です。
コインチェック・bitFlyer・GMOコインの違いや、組み合わせ方のイメージは
コインチェックはメイン口座にすべき?bitFlyer・GMOコインとの違いを徹底比較
を参考にすると、「自分に合うメイン/サブ口座の組み合わせ」を検討しやすくなるでしょう。
複数の取引所を併用する具体的なメリット・デメリットや、手数料・板の厚み・リスク分散の観点は、 複数取引所を使用するメリット・デメリット|手数料・板の厚み・リスク分散 で整理しています。「口座を増やすべきか迷っている」という方は、このページとセットで読んでおくと判断しやすくなります。
運用ルールづくり:分散投資を継続するコツ
分散されたポートフォリオを作るだけでなく、それを長く続けていくための「運用ルール」を決めておくと、感情に振り回されにくくなります。
1銘柄あたりの上限割合を決めておく
まず決めておきたいのが、「1銘柄に最大どのくらいまで資産を割り当てるか」というルールです。
例えば、「1銘柄あたり最大でも全体の20%まで」と決めておけば、急騰した銘柄に集中しすぎることを防げます。
特にアルトコインは、一時的な価格上昇でポートフォリオ内の比率が大きく膨らみがちです。上限ルールを決めておくことで、含み益が偏りすぎた通貨を一部利確する目安にもなります。
定期的なリバランスと、その頻度
分散投資は、一度組んで終わりではありません。時間が経つと、値動きによって配分がずれていきます。
半年〜1年に一度などのタイミングで、「当初決めた比率」に戻すリバランスを行うと、リスクを一定の範囲に保ちやすくなります。
頻繁にいじりすぎると手数料や税金の負担が増えるので、マイルールとして決めた頻度を守ることが大切です。
とくに税金については、「どのタイミングで課税されるのか」「どんな取引が課税対象になるのか」を事前に理解しておくことが重要です。
仮想通貨にかかる税金の基本や確定申告のポイントは、
【初心者向け】仮想通貨にかかる税金とは?確定申告の基礎から対策までわかりやすく解説
を参考にして、リバランスや利確を行う前に一度目を通しておきましょう。
積立投資とスポット買いの組み合わせ方
毎月の積立をベースにしつつ、大きく下がったときだけスポット買い(その場の買い増し)を行うスタイルもあります。
積立で時間分散をしながら、スポット買いで「大きく下がったタイミング」を活かすイメージです。
ただし、「下がったら買う」というルールをあいまいにしてしまうと、結局どの場面でも買ってしまいがちです。例えば、「○%以上下がったときだけ追加で買う」といった基準を決めておくと、判断しやすくなります。
「時間の分散」としての積立投資がなぜ有効なのか、どんな考え方で続ければいいのかについては、 積立投資が安心なワケ|仮想通貨の激しい値動きと上手につき合うコツ で詳しく解説しています。ここで決めたポートフォリオとあわせて、購入タイミングのルール作りにも役立ててみてください。
仮想通貨分散投資でよくある失敗パターン
最後に、分散投資を意識しているつもりでも、実際にはうまく機能していないケースを紹介します。自分のポートフォリオを見直すチェックポイントとして活用してみてください。
なんとなく人気の銘柄を買い足していった結果…
SNSやニュースで話題になった銘柄をその都度買い足していくと、気づけば似たようなテーマの通貨ばかりが並んでいることがあります。
一見たくさんの銘柄を持っていても、実際には特定の分野やトレンドに偏っているため、下落局面ではポートフォリオ全体が一緒に落ちてしまうことになりかねません。
とくにSNS上でインフルエンサーが取り上げた銘柄は、「乗り遅れたくない」という気持ちから冷静な判断がしにくくなりがちです。
こうしたポンプ&ダンプの見抜き方や、煽りに振り回されないためのポイントは、
SNSインフルエンサー「煽り」の真実|ポンプ&ダンプを見抜く3つのサイン
にまとめているので、「自分が煽りに乗せられていないか不安」という方は一度チェックしてみてください。
草コイン・テーマ系に偏りすぎる
ゲーム系や草コインは値動きが派手なぶん、短期的な利益を狙いやすい側面があります。その一方で、長期的に見れば生き残るプロジェクトはごく一部という現実もあります。
気づけば「ほとんどが草コイン」という状態になってしまうと、相場が冷え込んだときに一斉に流動性が失われ、大きな含み損を抱えたまま身動きが取れなくなるリスクがあります。
ステーブルコインや現金ポジションがゼロ
全額を値動きの大きい通貨に投入してしまうと、暴落時に「買い増ししたいのに、追加で入れられる資金がない」という状況に陥ります。
あらかじめ日本円やステーブルコインで待機資金を残しておくことも分散の一部と考えましょう。
ニュースに振り回されてポートフォリオを頻繁にいじる
日々のニュースやインフルエンサーの発言に反応して、そのたびに銘柄を入れ替えていると、手数料や税金ばかり増えてしまい、長期的なパフォーマンスが悪化しがちです。
あくまで基準となるポートフォリオとルールを決め、その範囲内で微調整を行う程度に留めることが、分散投資を活かすコツです。
仮想通貨で損をしやすい人の共通点や、ありがちな失敗パターンをさらに掘り下げて知っておきたい場合は、 仮想通貨で損する人はこんな人|共通点と回避策 も参考になります。自分の行動が当てはまっていないかをチェックしつつ、ここで決めた分散ルールを守る意識を強めておきましょう。
まとめ|「生き残るための分散」を最優先に考えよう
仮想通貨は、大きなリターンが期待できる一方で、下落局面のスピードも速い市場です。だからこそ、「どの通貨を当てるか」よりも前に、いかに退場せずに市場に居続けるかを考える必要があります。
また、どれだけうまく分散しても、「生活費まで含めて仮想通貨に突っ込んでしまう」とリスクは一気に跳ね上がります。
そもそも投資に回していいお金の線引きや、生活を守るための資金計画については、
なぜ「余剰資金」以外で投資してはいけないのか?生活を守る資金計画の立て方
を参考にしながら、「どこまでを仮想通貨に回すか」の上限も決めておきましょう。
そのための基本が、BTC・ETHをコア資産としつつ、自分の目的やリスク許容度に合わせてアルトコインやステーブルコインを組み合わせる分散投資です。
完璧なポートフォリオを作ろうとするよりも、「自分が続けられるシンプルなルール」を決め、少しずつ改善していくことが、長く仮想通貨と付き合ううえでの近道になります。
まだ国内取引所の口座を持っていない、もしくはこれから用意する段階であれば、 スマホアプリが使いやすい国内取引所の一つとして Coincheck(コインチェック)の特徴や始め方 もあわせてチェックしておくと、分散投資をスタートする準備がスムーズになります。
- BTCとETHのコア比率は決めているか?
- アルトコイン全体の上限割合を決めているか?
- 草コイン枠は「ゼロになってもいい金額」に収まっているか?
- 日本円やステーブルコインなどの待機資金は確保しているか?
- 半年〜1年ごとのリバランス方針を決めているか?
この記事をきっかけに、自分のポートフォリオを一度見直し、「どの通貨にどんな役割を持たせるか」を考えてみてください。
分散は派手さこそありませんが、長く市場に残るための最も地味で、最も重要な武器です。

