WBTC(ラップドビットコイン)とは?

ラップドビットコインは、ビットコインの価格に連動するよう設計され、Ethereumなどのスマートコントラクト対応ネットワークで利用できる暗号資産です。
ビットコインをそのままEthereumへ送ることはできませんが、WBTCへ交換することで、分散型取引所、レンディング、流動性提供などに利用できます。
一方、WBTCはBitcoinネットワーク上のBTCそのものではありません。
保管事業者が管理するBTCを裏付けとして、別のブロックチェーン上で発行されるトークンであり、保管体制、発行・償還、スマートコントラクト、利用するネットワークなどのリスクが加わります。
この記事では、ラップドビットコインの仕組み、BTCとの違い、発行・償還方法、利用シーン、対応ウォレット、メリット・デメリットについて解説します。
ラップドビットコインとは?

ラップドビットコインは、保管されているBTCを裏付けとして、原則1 WBTCが1 BTCの価値に連動するよう設計されたトークンです。
英語ではWrapped Bitcoinと表記され、通貨単位にはWBTCが使用されます。
最初のWBTCは2019年にEthereum上で発行されました。
Ethereum版はERC-20(Ethereumのトークン規格)として発行されているため、Ethereum上のウォレット、分散型取引所、レンディングサービス、スマートコントラクトなどで扱えます。
WBTCは、BTCのブロックチェーンをEthereumへ移動させる仕組みではありません。
BTCはカストディアンが管理するBitcoinアドレスへ保管され、その数量に対応するWBTCが別のネットワーク上で発行されます。
WBTCは、BitGo、Kyber Network、Renなどが共同で立ち上げた仕組みです。
現在の運営では、BTCを保管するカストディアン(裏付け資産の保管機関)、発行や償還を仲介するマーチャント(認定された取扱事業者)、参加者や運営ルールを管理するWBTC DAOで役割を分けています。
BTCの保管アドレス、各ネットワーク上のWBTC発行量、発行・償還履歴は公式の透明性ダッシュボードで公開されています。
利用者は、保管されているBTCの数量が流通するWBTCの数量を上回っているかを確認できます。
2024年には、BitGoとBiT Globalによる共同事業を通じて、BTCの保管場所や法域を分散する体制への移行が発表されました。
現在の公式情報では、コールドストレージ、複数署名、複数地域に分散した保管体制が採用されています。
ただし、準備資産を確認できることと、WBTCがBitcoinと同じように管理者のいない資産であることは同じではありません。
BTCの保管、WBTCの発行・償還、認定事業者の管理には特定の組織が関与するため、保管主体、規制、システム障害、資産凍結などの影響を受ける可能性があります。
以下に、ラップドビットコイン(WBTC)の基本情報を一覧表でまとめました。
| 名前 | ラップドビットコイン(Wrapped Bitcoin) |
|---|---|
| 単位 | WBTC |
| 最高発行枚数 | 独自の固定上限なし(発行量は保管されているBTCの数量に連動) |
| 使用開始日 | 2019年1月(Ethereumで発行開始) |
| 作成者 | BitGo、Kyber Network、RenなどによるWBTC initiative |
| コンセンサスアルゴリズム | 独自の方式なし(取引処理はEthereumなど各対応ネットワークに依存) |
| 主な用途 | 送金、交換、DeFiの担保、レンディング、流動性提供、決済 |
| スマートコントラクト対応 | 対応(Ethereum版はERC-20) |
| チェーンの名称 | Ethereum、Solana、TRON、Base、Kava、Osmosisなど |
| 公式サイト | WBTC公式サイト |
BTCとWBTCは価格の連動を目指していますが、存在するネットワーク、取引手数料、利用方法、管理主体が異なります。
主な違いは以下のとおりです。
| 比較項目 | BTC | WBTC |
|---|---|---|
| 存在する場所 | Bitcoinネットワーク | Ethereumなどの対応ネットワーク |
| 価値の基盤 | Bitcoin本体のネイティブ通貨 | 保管されているBTCによる裏付け |
| 主な用途 | 送金、決済、保有 | DeFi、交換、担保、流動性提供 |
| 取引手数料 | BTCで支払う | ETH、SOL、TRXなど利用するネットワークの通貨で支払う |
| 発行管理 | Bitcoinのプロトコルに従って発行 | 保管BTCを確認したうえで認定事業者が発行を仲介 |
| 償還 | 不要 | BTCへ戻す場合は取引所や認定事業者などを利用 |
ラップドビットコインの特徴

WBTCは、Bitcoinの価値をスマートコントラクト対応ネットワークで利用するために、保管、発行、償還、準備資産の公開を組み合わせています。
ここでは、WBTCの仕組みを理解するうえで重要な特徴を解説します。
保管されているBTCによって1対1で裏付けられる
WBTCは、カストディアンが保管する裏付け資産(発行を支える保管資産)としてBTCを使用します。
原則として1 WBTCを発行するためには、それに対応する1 BTCを保管する必要があります。
価格を自動調整するアルゴリズムだけで1 BTCとの連動を維持するのではなく、実際に保管されているBTCとWBTCの発行量を対応させる仕組みです。
ただし、WBTCを保有している利用者ごとに、特定の1 BTCや特定のサトシが割り当てられるわけではありません。
WBTCは保管資産全体を基礎として発行される代替可能なトークンであり、通常の利用者は取引所や分散型取引所を通じて売買します。
マーチャントとカストディアンを通じて発行・償還する
WBTCの発行と償還では、利用者との取引を仲介するマーチャントと、BTCを保管してWBTCの発行・焼却を行うカストディアンが役割を分担します。
WBTCを新しく発行する場合と、WBTCをBTCへ戻す場合の流れは以下のとおりです。
| 手続き | 主な流れ | 供給量への影響 |
|---|---|---|
| 発行 | マーチャントがBTCを預け、カストディアンが確認後にWBTCを発行する | WBTCが増加する |
| 償還 | マーチャントがWBTCを返却し、焼却後にカストディアンからBTCを受け取る | WBTCが減少する |
認定マーチャントから直接WBTCを発行してもらう場合は、本人確認やマネーロンダリング対策の審査が必要です。
最低取引数量や手数料が設定される場合もあるため、一般の利用者は取引所やDEXで既に発行されているWBTCを購入する方法が中心になります。
取引所でWBTCをBTCへ交換することと、WBTCの仕組みを通じて正式に償還することは同じではありません。
取引所での交換は、その取引所や相手方が保有するBTCとWBTCを売買する取引です。
スマートコントラクト対応ネットワークでBTCの価値を利用できる
Bitcoinネットワークでは、Ethereumと同じ形式のスマートコントラクトをそのまま実行できません。
WBTCへ交換すると、BTCに近い価格の資産をEthereum上のトークンとして扱えます。
Ethereum版WBTCはERC-20規格に対応しているため、分散型取引所での交換、レンディングサービスへの預け入れ、借り入れの担保、流動性プールへの提供などに利用できます。
このような銀行や証券会社を介さずにスマートコントラクトで金融取引を行う仕組みについては、DeFiとは?銀行なしで利用できる金融サービスの仕組みで詳しく解説しています。
ただし、WBTCに交換するだけで利息や報酬が発生するわけではありません。
報酬を得るには対応サービスへ預ける必要があり、預け先のスマートコントラクトや運営方法に関するリスクを負います。
準備資産と発行量を公開している
WBTCでは、保管されているBTCのアドレスと各ネットワーク上の発行量を公開するProof of Reserves(準備資産を確認する仕組み)を採用しています。
利用者はBitcoinのブロックエクスプローラーで保管アドレスの残高を確認し、WBTC公式ダッシュボードに表示される流通量と比較できます。
発行や償還の申請履歴についても、完了、処理中、キャンセルなどの状態が公開されます。
確認すべきなのは、Ethereum上の供給量だけではなく、すべての認定ネットワークを合計したWBTCの発行量です。
マルチチェーン展開後は、複数ネットワークの供給量を合算し、保管BTCが全体を裏付けているか確認する必要があります。
一方、ブロックチェーン上でBTC残高を確認できても、秘密鍵の管理体制、法的な資産保有関係、規制当局による措置、内部統制まで自動的に保証されるわけではありません。
複数のブロックチェーンへ展開している
WBTCはEthereumから始まり、現在はSolana、TRON、Base、Kava、Osmosisなど複数のネットワークへ展開されています。
WBTCには、各ネットワークで保管BTCを基に直接発行量を管理するネイティブWBTC(各チェーンで正式発行)と、既存のWBTCをブリッジで移動させたブリッジ版(別チェーンへ移した資産)があります。
| 種類 | 発行・移動の仕組み | 主な確認事項 |
|---|---|---|
| ネイティブWBTC | 認定された仕組みを通じて対象ネットワーク上で発行する | 公式コントラクト、供給量、対応事業者 |
| ブリッジ版WBTC | 元のネットワーク上のWBTCをロックまたは焼却し、移動先で発行する | ブリッジ運営、裏付け方法、復元経路 |
同じWBTCという名称でも、発行元、コントラクトアドレス、移動方法が異なる場合があります。
異なるネットワークへ資産を移す場合は、仮想通貨ブリッジの仕組みと安全に資産を移す際の注意点も確認しておきましょう。
市場取引によってBTCとの価格差が調整される
WBTCは1 BTCによる裏付けを前提としていますが、取引所での売買価格が常に完全な1対1になるとは限りません。
売り注文が急増した場合、利用するネットワークが混雑した場合、償還への不安が広がった場合などには、WBTCの市場価格がBTCより低くなる可能性があります。
反対に、特定ネットワークでWBTCの需要が急増すれば、一時的にBTCより高くなる場合もあります。
通常は、価格差が生じると市場参加者が安い方を買って高い方を売る裁定取引(価格差を利用する取引)を行い、価格差の縮小を目指します。
ただし、償還手続き、本人確認、最低数量、ネットワーク手数料などがあるため、価格差が必ず即座に解消されるわけではありません。
他通貨との比較

この通貨の特徴をより深く理解するために、異なる通貨である ラップドビットコイン(WBTC)、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH) と比較してみましょう。それぞれの将来性や価格変動の傾向、初心者への適性を5段階で評価しています。興味のある通貨があれば、各リンクから詳しい辞書ページもあわせてご覧ください。
※この比較表は、2026年時点での情報や市場状況をもとに、初心者の方にもわかりやすく評価したものです。実際の投資判断は、ご自身の目的やリスク許容度に応じて行ってください。
ラップドビットコインの利用シーン

WBTCは、BTCに近い価格の資産をスマートコントラクト対応ネットワークで扱いたい場合に利用されます。
個人はDeFiでの借り入れや交換に使用でき、企業やプロジェクトはBTCを基礎とした金融サービスや流動性市場を構築できます。
個人での利用シーン
個人は、取引所やDEXでWBTCを取得し、対応ウォレットへ送金することで、分散型取引所、レンディング、流動性プールなどを利用できます。
利用前には、WBTCが存在するネットワークと、接続するサービスが同じネットワークに対応しているかを確認する必要があります。
DeFiで担保にして資金を借りる
WBTCをレンディングサービスへ預けると、担保価値に応じてステーブルコインなどを借りられる場合があります。
WBTCを売却せずに資金を確保できるため、BTCへの価格連動を維持しながら別の用途へ資金を回せます。
ただし、BTC価格が下落して担保価値が基準を下回ると、預けたWBTCが強制的に売却される清算(担保を強制売却する処理)が発生する可能性があります。
借入上限まで借りず、担保率に余裕を持たせることが重要です。
DEXで交換や流動性提供に使用する
分散型取引所では、WBTCをETH、ステーブルコイン、その他のトークンと交換できます。
WBTCと別の資産を流動性プールへ預け、取引手数料の一部を受け取る方法もあります。
一方、流動性提供では二つの資産の価格変動によって、単純に保有していた場合より資産価値が低くなることがあります。
この仕組みについては、インパーマネントロスとは?流動性提供で発生する損失の仕組みで解説しています。
企業やプロジェクトでの利用シーン
企業や開発プロジェクトは、WBTCを担保資産、交換対象、決済資産、金融商品の基礎資産として組み込めます。
BTCを直接扱うシステムを一から構築せず、対応ネットワークのスマートコントラクトを利用できる点が特徴です。
BTCを担保とした金融サービスを構築する
レンディングサービスでは、WBTCを担保としてステーブルコインや他の暗号資産を貸し出す市場を作れます。
デリバティブ、保険、資産運用サービスなどでも、BTC価格に連動するオンチェーン資産として利用できます。
サービス運営者は、WBTC自体の裏付けだけでなく、価格情報を取得するオラクル、担保率、清算方法、スマートコントラクトの管理権限を適切に設計する必要があります。
BTCの流動性を複数ネットワークへ展開する
DEXやブロックチェーンプロジェクトは、WBTCの取引市場を用意することで、Bitcoinの保有者やBTCに連動する資産を利用したい投資家を取り込めます。
複数ネットワークへ展開する場合は、各ネットワークのWBTCがネイティブ発行なのか、ブリッジ版なのかを明確にする必要があります。
流動性が複数チェーンへ分散すると、大口取引時の価格変動や、償還経路の複雑化につながる可能性があります。
ラップドビットコインの管理方法と対応ウォレット

WBTCは、暗号資産取引所の口座で管理する方法と、自分で秘密鍵を管理するウォレットへ送金する方法があります。
取引所で管理するとBTCや日本円などへ交換しやすい一方、利用できるDeFiやネットワークは取引所ごとに異なります。
自分のウォレットへ送金するとDeFiへ接続しやすくなりますが、秘密鍵、送金先、ネットワーク、コントラクトアドレスを自分で確認する必要があります。
WBTCに対応した主なウォレット
以下は、WBTCに対応している代表的なウォレットと、それぞれの特徴です。
| ウォレット名 | 種類 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| MetaMask | ブラウザ拡張・スマートフォンアプリ | EthereumやEVM系ネットワーク上のWBTCを管理し、DeFiへ接続できる |
| Phantom | ブラウザ拡張・スマートフォンアプリ | Solana上の正式なWBTCや対応アプリを管理できる |
| TronLink | ブラウザ拡張・スマートフォンアプリ | TRON上のWBTCを管理し、TRON対応サービスへ接続できる |
| Ledger | ハードウェアウォレット | 秘密鍵を専用端末内で管理し、対応ソフトウェアウォレットと接続して操作できる |
ウォレットがWBTCに対応していても、すべてのネットワーク版を同じ方法で管理できるとは限りません。
Ethereum版、Solana版、TRON版では、使用するアドレス形式、ウォレット、ガス代用通貨が異なります。
利用目的に応じたウォレットの利点
Ethereum上のDeFiを利用する場合は、MetaMaskなどのEVM対応ウォレットが選択肢になります。
対応するレンディングサービスやDEXへ接続し、WBTCの預け入れ、交換、流動性提供などを行えます。
Solana上で利用する場合はPhantom、TRON上で利用する場合はTronLinkというように、対象ネットワークに合わせてウォレットを選ぶ必要があります。
長期間動かさないWBTCを自分で管理する場合は、Ledgerなどのハードウェアウォレットを利用できます。
対応するソフトウェアウォレットと接続すれば、秘密鍵を専用端末内に保ったまま取引へ署名できます。
売買用は取引所、DeFiで使う分はソフトウェアウォレット、長期保管分はハードウェアウォレットというように、目的別に管理先を分ける方法もあります。
ウォレットの基本的な種類と管理方法については、ウォレットとは?仮想通貨の保管方法とセキュリティ対策で詳しく解説しています。
ウォレット利用時の注意点
WBTCを自分で管理する場合は、通貨名だけで判断せず、ネットワーク、コントラクトアドレス、送金先、ガス代を確認する必要があります。
特に注意したい点は以下のとおりです。
- 公式サイトや信頼できるブロックエクスプローラーでコントラクトアドレスを確認する
- 送金元と送金先が同じネットワークに対応しているか確認する
- ETH、SOL、TRXなど、対象ネットワークのガス代用通貨を残しておく
- 初めて利用する送金先では少額で着金を確認する
- DeFiへ接続する際はトークン使用許可や署名内容を確認する
WBTCと同じ名称や画像を使用した偽トークンは、誰でも作成できる場合があります。
ウォレット画面に「WBTC」と表示されていることだけで、公式のWBTCと判断しないでください。
Ethereum版WBTCを送金する場合は、ガス代としてETHが必要です。
WBTCだけをウォレットへ送ると、ETHがなくて送金や交換を実行できないことがあります。
また、ハードウェアウォレットを利用しても、偽サイトで不正な取引へ署名すれば資産を失う可能性があります。
秘密鍵の保管と、署名する取引内容の確認は分けて考える必要があります。
ラップドビットコインのメリット

WBTCには、BTCに近い価格の資産をスマートコントラクト上で利用できることや、準備資産を確認できることなどのメリットがあります。
主なメリットは以下のとおりです。
- BTCの価格連動を維持しながらDeFiを利用できる
- 多くの取引所やDeFiサービスに対応している
- 準備資産と発行量を公開している
- スマートコントラクトで自動処理に組み込める
- 複数のブロックチェーンで利用できる
BTCの価格連動を維持しながらDeFiを利用できる
WBTCを利用すると、BTCに近い価格の資産を売却せずに、レンディング、借り入れ、流動性提供などへ利用できます。
BTCの値上がりを期待しながら、担保や流動性として活用できるため、保有資産の用途を広げられます。
ただし、DeFiで得られる報酬はBTCやWBTCの仕組みから自動的に発生するものではありません。
利用するプロトコルの手数料収入、借入需要、インセンティブなどを原資としており、利回りは変動します。
多くの取引所やDeFiサービスに対応している
WBTCは2019年から運用されており、分散型取引所、レンディング、資産運用サービスなど、幅広いプロトコルへ導入されています。
対応サービスや取引市場が多いほど、WBTCを他の資産へ交換したり、担保として利用したりする選択肢が増えます。
一方、同じサービスでもネットワークごとに流動性や利用条件が異なります。
WBTCという名称だけで判断せず、利用する市場の取引量、預入上限、担保条件を確認する必要があります。
準備資産と発行量を公開している
WBTCでは、裏付けとなるBTCの保管アドレスや、各ネットワーク上で流通するWBTCの数量が公開されています。
利用者自身がブロックチェーン上の残高を確認できるため、保管BTCに対して過剰なWBTCが発行されていないかを検証できます。
発行・償還履歴も公開されており、供給量が増減した理由を追いやすい点もメリットです。
スマートコントラクトで自動処理に組み込める
WBTCは、担保価値の計算、借入限度額の設定、分散型取引所での交換、清算などをスマートコントラクトで自動化できます。
BitcoinとEthereumの両方へ個別の取引を送る仕組みを構築しなくても、Ethereum上の他のERC-20トークンと同じ形式で処理できます。
企業や開発者にとっては、既存のDeFiインフラや開発ツールを活用しながら、BTCに連動する資産をサービスへ組み込める点が利点です。
複数のブロックチェーンで利用できる
WBTCはEthereumだけでなく、Solana、TRON、Base、Kava、Osmosisなどへ展開されています。
利用者は、手数料、処理速度、対応アプリ、流動性などを比較し、自分の用途に合ったネットワークを選べます。
ただし、ネットワークが増えるほどコントラクトや移動経路も複雑になります。
マルチチェーン対応は利便性を高める一方、確認すべき項目が増える点も理解しておきましょう。
ラップドビットコインの注意点・リスク

WBTCはBTCの利用範囲を広げる一方、保管事業者、認定事業者、スマートコントラクト、利用するネットワークなどへ依存します。
主なデメリットは以下のとおりです。
- BTCの保管をカストディアンへ依存する
- BTCへ戻す際に発行・償還の仕組みが必要になる
- スマートコントラクトやDeFiのリスクが加わる
- BTCとの価格差が発生する可能性がある
- ネットワークやブリッジを間違える可能性がある
BTCの保管をカストディアンへ依存する
WBTCの裏付けとなるBTCは、Bitcoinを保有する利用者自身ではなく、認定されたカストディアンが管理します。
保管アドレスは公開されていますが、秘密鍵の管理、署名手続き、内部統制、規制対応などは保管主体へ依存します。
WBTCには、Bitcoin本体には存在しない保管主体への信用リスクがあります。
保管事業者への法的措置、システム障害、内部不正、秘密鍵の問題などが発生すると、発行や償還へ影響する可能性があります。
BTCへ戻す際に発行・償還の仕組みが必要になる
BTCはBitcoinネットワーク上でそのまま送金できますが、WBTCをBitcoinアドレスへ直接送ることはできません。
BTCへ戻すには、対応取引所で交換するか、認定マーチャントなどを通じて償還する必要があります。
償還では本人確認、最低数量、受付時間、手数料、Bitcoinネットワークの確認時間などが関係する場合があります。
市場が混乱している状況では、希望する価格や時間でBTCへ戻せない可能性があります。
スマートコントラクトやDeFiのリスクが加わる
WBTC自体の裏付けが維持されていても、預けたレンディングサービスや流動性プールに不具合があれば、資産を失う可能性があります。
スマートコントラクトの脆弱性、管理者権限の悪用、価格情報の異常、清算処理の不具合などは、WBTCの準備資産とは別の問題です。
WBTCを利用する際は、トークン自体の安全性と、接続するサービスの安全性を分けて確認する必要があります。
BTCとの価格差が発生する可能性がある
WBTCは1 BTCとの価格連動を目指していますが、取引所では需要と供給によって価格が決まります。
償還への不安、流動性不足、ネットワーク障害、保管体制への懸念などが広がると、WBTCがBTCより安く取引される可能性があります。
価格差が小さい状態でも、大きな数量を交換すると市場価格が動くスリッページ(注文時と約定時の価格差)が発生する場合があります。
売買前には、表示価格だけでなく、実際の受取数量を確認しましょう。
ネットワークやブリッジを間違える可能性がある
WBTCは複数のブロックチェーンに存在するため、同じ名称でもアドレス形式やコントラクトが異なります。
取引所がEthereum版にしか対応していないにもかかわらず、Solana版やTRON版を送ると、入金へ反映されない可能性があります。
ブリッジ版では、元のネットワーク上の資産管理に加えて、ブリッジのコントラクト、メッセージ検証、移動先の発行処理なども関係します。
公式WBTCであることと、利用するブリッジ全体が安全であることは同じではありません。
現在の状況と今後の展望

2026年8月時点のWBTCは、Ethereum上の代表的なトークン化BTCとして利用されるだけでなく、Solana、TRON、Base、Kava、Osmosisなどへ展開するマルチチェーン資産になっています。
2024年には、BitGoとBiT Globalによる複数法域・複数組織での保管体制への移行が発表されました。
2025年にはSolanaとTRONでネイティブWBTCが展開され、Ethereum以外のDeFiや決済サービスでも利用範囲が広がっています。
公式の透明性ダッシュボードでは、2026年7月31日時点で、約116,499.2022 WBTCが流通し、約116,514.3424 BTCが準備資産として公開されていました。
発行量の大部分はEthereum上にありますが、Solana、TRON、Base、Kava、Osmosisでもネイティブ供給が確認されています。
数量は発行と償還によって変化するため、利用時には最新のダッシュボードを確認する必要があります。
クロスチェーン機能では、外部のセキュリティ事案を受け、2026年4月にLayerZeroを使用したWBTCの移動が一時停止されました。
安全性の確認後、同年4月25日に再開されており、ネイティブWBTCの保管、発行、償還には影響しませんでした。
この事例からも、WBTCの裏付け資産が安全に保管されていることと、クロスチェーン移動に使用するインフラが安全であることは分けて考える必要があります。
今後は、BTCを担保、流動性、決済資産として利用する市場が拡大するほど、WBTCの利用機会も増える可能性があります。
一方で、他のカストディ型・分散型のトークン化BTCとの競争、保管体制への信頼、各地域の規制、マルチチェーン管理の複雑さが継続的な課題になります。
WBTCを判断する際は、価格だけでなく、準備資産、発行量、保管主体、償還実績、対応ネットワーク、DeFiでの流動性を合わせて確認することが重要です。
購入できる取引所

おすすめの取引所
「Coincheck(コインチェック)」は、WBTC(ラップドビットコイン)のようにDeFiと相性の良いトークンも扱っているため、将来的にオンチェーン運用も見据えたポートフォリオを組みたい人にも適しています。
仮想通貨デビューにも最適です。 Coincheckの口座開設はこちら!









